大容量プランを格安ブランドで新設

菅政権が携帯電話料金の値下げを強く求める中、ソフトバンクとKDDIが、大容量のプランをそれぞれの格安ブランドで新設。

両社が発表したのは、1カ月の使用量が20GBまでの新料金。

ソフトバンクは「Y!mobile」で月額4480円のプランを12月下旬から提供する一方、KDDIも「UQmobile」で3980円のプランを2021年2月以降に新設する。

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総務省による携帯料金の国際比較では、日本の20GBのプランは世界で最も高いとされている。

両社の新プランは、菅政権による料金値下げの求めに対応した形だが、格安ブランドは選べる端末や取扱店舗の数などで主力ブランドとの差がある中、どこまで利用者が広がるかが焦点だ。

またソフトバンクは、これまで3000円としていた乗り換え手数料をオンラインと店頭の両方で、2021年春をめどに無料にすることも正式に発表した。

加藤官房長官:
わが国の携帯電話料金は、主要国と比較して、大容量を中心に高い水準と指摘され、この領域において魅力的な料金サービスの選択肢が提供されるのは利用者にとって望ましい。

大手キャリアのサブブランドの新料金プランは、どう受け止められているのか?働く皆さんに街で聞いた。

新プランをどう思う? 働く人のホンネ

建設業(50代):
新たな20GBは、そこそこ使わない人向けに新たなプランができたというだけで、実質安くなったという感じはしない。現行のプランが1000円でも2000円でも安くなれば、「安くなったな」という感じはしますけど。

福祉関係(20代):
(1カ月)9000円は払っていると思います。5000円以内に抑えられたらいいなと思う。悩みはしますけど、安くなるなら(乗り換えを)考えようかなと思う。

製造業(60代):
本当に途切れなく使えるとか、質を追求してもらわないと、少しくらい高くても質の良いものが欲しいというのが個人的な思いなので、単に価格だけではないです。

会社員(20代)A:
ソフトバンクとかドコモとか、全部がやってくれたらありがたい。全部平等にどの会社も動いてくれたら世の中の人もみんな心が動いて「乗り換えるかな」といった感じ。

会社員(20代)B:
1万円払っているが、5000円になったところで使うお金は減らなくて。その5000円で課金するので、あまり変わらないかもしれない、若い人は。

貿易関係(40代):
安くなるのは嬉しいですけど、Y!mobileとか今の時点で繋がるのかなと。

――使用しているキャリアで安いプランがあったら?

貿易関係(40代):
それで料金が安くなるなら嬉しいと思うけど、20GBも使うかなという感じ。あったら嬉しい、いろいろ使ってみようと思います。

使用状況に見合ったプラン提案を

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんに聞きます。さまざまな街の声がありましたが、いかがですか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
個人的にはたくさん使う人はそれに見合ったプラン、使わない人は格安でといったように、個人の利用頻度によって柔軟にプランやキャリアが行き来できる状態になると、理想に近いのかなと思います。

ただ、実際にキャリアやプランを変えるとなると、面倒な手続きも多いので、そこまでやらなくてもと思う方が多いのではと思います。特にあまりスマホを使わない方、本来は安いプランで十分だけど詳しくないという方ほど二の足を踏むケースが多いと思います。

三田友梨佳キャスター:
先日、ドコモの完全子会社化を発表したNTTの澤田社長に話を伺った際、料金プランについて「究極は人それぞれにパーソナライズ化すること」だとおっしゃっていて、一方で実現の難しさにも触れていましたが、これをクリアするために参考になる例はありますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
例えば、他の定額サービスを見てみると、とある動画配信サービスでは、しばらく使っていないアカウントを自動で解約したり、使っていないことを注意喚起するメールをユーザーに送るなどして、使っていない人からお金を取らないということを徹底しています。

これは短期的には損をするように見えますが、長期的にはその姿勢に共感してファンが増えています。なので、携帯料金も値下げだけではなくて、使っていないのであればキャリアが自動的にプランを変更してくれるとか、乗り換えを提案するとか、そういった動きも期待されてくるのではと思います。

三田友梨佳キャスター:
料金プランが複雑で、自分の利用実態に本当に適しているのかわからないという方も多いと思います。今回のサブブランドの値下げというのは、菅首相の言う競争による値下げとは少し乖離している部分があると思いますが、サブブランドを持たないドコモがどんな手を打って出るのかも気になるところです。

(「Live News α」10月28日放送分)