「食欲の秋」の旬の食材の1つ「銀杏」に注目が集まっている。

公益財団法人日本中毒情報センターが13日、「銀杏」の食べすぎによる食中毒の注意喚起を公式サイトで公開したのだ。
 

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銀杏で中毒が起きる仕組み

銀杏とはイチョウの種子のこと。

熟して地面に落ちた銀杏の「外種皮」は強烈な臭いがするが、かたい殻の中にある淡い黄色の部分は、茶わん蒸しにいれたり、焼いて塩をまぶしたり、かき揚げや炊き込みご飯の具材など、秋の味覚として様々な料理に使われている。

ところが同センターの公式サイトによると、この銀杏を一度にたくさん食べすぎると、おう吐・けいれん・めまいなどの中毒症状を起こすことがあるというのだ。

理由は、銀杏に含まれる有毒成分「4ʼ-O-メチルピリドキシン」がビタミンB6と構造が類似しており、摂取するとビタミンB6の働きを阻害することにある。すると抑制性の神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)が生成されなくなり、けいれんなど神経系の異常興奮が起きると考えられている。

銀杏に関する月別相談件数および患者年齢層【2010〜2019 年】(出典:公益財団法人日本中毒情報センター)

同センターの「中毒110番」には、毎年銀杏による食中毒を心配する相談が寄せられており、特に銀杏が出回る10月~12月に集中。また2019年までの10 年間に寄せられた相談は合計252件で、そのうち5歳以下の子どもが多く、69%(173件)を占めていた。

ただ成人でも、偏食や飲酒などでビタミンB6が欠乏状態にあったり、大量に食べたりすると中毒を起こすことがあるので油断は禁物だ。
 

出典:公益財団法人日本中毒情報センター

相談件数の年間推移は近年増えているが、日本中毒情報センターは「食べたあとにインターネットやSNS等によって銀杏で中毒が起こることを知り、不安になって相談される方が増えているのではないか」と推測している。

また、イチョウは1科1属1種で近縁の植物がないため、同じ有毒成分を含む植物は他に知られていないという。

加熱すれば安心?何個食べたら危険?

このような特徴のある銀杏だが、適した調理法や摂取する個数を制限することなどで中毒を防ぐことができるのだろうか。

実は「4ʼ-O-メチルピリドキシン」は熱に強く、加熱しても毒性がなくなるわけではないとのこと。また銀杏の食中毒は、ビタミンB6の潜在的な欠乏状態にもよるので「何個までなら大丈夫」と⼀概には言えないという。

では、どうしたらいいのか?

日本中毒情報センターでは、5歳以下の子どもが6~7個食べてけいれんを起こした事例が寄せられており、「茶わん蒸しに入っている程度の銀杏を食べて症状が出現した例は把握していませんが、5歳以下の子どもには食べさせないほうがよいでしょう」とまとめている。

また「子どもが茶わん蒸しに入っていた銀杏1個を食べて症状がないという場合は様子をみてもかまいませんが、判断に迷った場合は、中毒110番にご相談ください」としている。

もちろん大人も食べ過ぎると中毒を起こすことがあるので注意が必要だ。もし、銀杏を食べて何か中毒症状を感じた場合は、すぐに医療機関を受診して頂きたい。

公益財団法人日本中毒情報センター 中毒110番電話サービス(⼀般向け)
■大阪中毒110番(365日 24 時間対応) 072-727-2499
■つくば中毒110番(365日 9時~21時対応) 029-852-9999 

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