水槽の中を悠々と漂うクラゲ。そのなんとも言えない姿に、心を癒される人も多いのではないだろうか?

しかし、水族館で見るこの優雅な光景の裏には、飼育員の並々ならぬ努力があったというのだ。静岡県浜松市にある水族館「浜名湖体験学習施設ウォット」のクラゲ水槽に掲示された解説を、あるTwitterユーザーが紹介し、話題となっている。

その内容がこちら!

「飼育員ががんばる水槽」と題し、クラゲ水槽の苦労を紹介
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タイトルは「飼育員ががんばる水槽」で、疑問の投げかけから始まる。

「みなさん!クラゲの水槽って丸かったりしてなんか他の水槽と形が違いますよね?
実はこの形がめっっちゃ重要なんです。あと、飼育員ががんばります。」

そして、他の水槽と形が違う理由が丁寧に説明されている。

「クラゲって水の中で生きているのに泳ぐのがニガテでひたすら流されて生きています。なので、普通の水槽で飼育しようものなら…『泳げない為全てのクラゲが沈む』『空気の泡がカサの中に入りぐちゃぐちゃになる』『フィルターに吸い込まれて水槽内から消える』という超悲惨な事になります。飼育員からしたら地獄絵図です

「こんな地獄絵図水槽にならないように飼育員ががんばります。どんなふうにがんばるかというと、水の流れができるように水槽を作りなおしたり、カサの中に空気が入らないようにエアレーション(ぶくぶく)を微調整したり、けっこう手間がかかっている水槽です」

どうやら、飼育員の方々が試行錯誤して努力した結果が、いつも私たちが見ているあのクラゲの姿という説明だった。
あんまり「頑張ってます」アピールをしすぎると、ともすれば反感を買ってしまうことがあるが、今回の場合は「飼育員さんマジすごい」「飼育員さんたちに感謝です」と、とても好意的に受け止められている。

どうして、このような掲示をしたのか? 「浜名湖体験学習施設ウォット」の担当者に聞いた。

水槽を修理した際の飼育員の苦労を知ってほしいと掲示

ーークラゲはいつから展示しているの? このような解説を始めたきっかけは?

正確な時期は分かりませんが、クラゲの展示は以前からしております。そしてこの掲示は、約1年前にミズクラゲの水槽を修理した際、頑張って直した苦労と頑張りをお客さまにも知ってほしいと思い作成いたしました。なお水槽には、ミズクラゲが30匹ほどいます。

ーー飼育員が頑張っても底に沈んだりするクラゲはいる?

頑張れば底に沈んだり、フィルターに吸い込まれたりしないです。

地獄絵図にならないよう水槽を工夫している。

担当者「こんなに話題になるとは」

ーーこのほかに、クラゲの飼育や展示で大変なことは?

水槽内の水を換える際、ホースで水を抜くのですが、クラゲがホースに吸われる事があるので十分に気をつけています。

ーー公式アカウントでツイートをしていたが、この反響はうれしい?

まさかこんなに話題になるとは思っていませんでした。驚いていますがとてもうれしいです。



ーー飼育員さんの努力の甲斐があって、クラゲは人気?

はい、フワフワ泳ぐ姿がかわいらしいのでとても人気です。

ーーこれから訪れる人にはどんなところに注目してほしい?

クラゲの解説板以外にも飼育員たちが頑張って作った解説板がたくさんあります。是非そちらにも注目してほしいです。

優雅に漂うクラゲ

なおクラゲの他にも、タコやエビカニなどの飼育員が飼育していて気づいたことや思ったことを解説板にしているという。さらに展示生物以外にも、水族館で働いているスタッフの紹介や“飼育員あるある”なども掲示しているそうだ。
生き物の飼育が、飼育員の隠れた努力に支えられているとは想像できても、ちゃんと知る機会はなかなかないので、今回のようなことを知ることで、またいつもと違った視点で水族館を楽しめるのではないだろうか。

(画像:浜名湖体験学習施設ウォット)