料理の代行などを行う「シッター」

心や体への負担がかかる女性の産前産後。それをサポートしようと高森町に料理の代行などを行う「シッター」を始めた女性がいる。子育てに自信が持てる母親を増やしたいと奮闘中だ。

木村万理子さん:
こんにちはー木村ですー

高森町の住宅を訪れた木村万理子さん(37)。

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エプロンやマスクを身に着けすぐにキッチンへ。

木村万理子さん:
あっ、にんじんがいっぱいあった

置いてある食材を見ながらメニューを考える。

木村万理子さん:
(何を作るかは)なんとなくです。決める…動きながら…ですね。どうしようかな…

木村さんが訪問したのは水野愛さんの家。
先月9日、次女の葉(よう)ちゃんが生まれたばかり。水野さんが葉ちゃんをあやす中、木村さんは調理を始めた。

木村さんは、この4月から「産褥(じょく)シッター」を始めた。産褥とは、出産から母親の体が回復するまでの期間のこと。体が思うように動かない産褥期や妊娠中を快適に過ごしてもらいたいと料理の代行などをしている。

水野さんは今回が6回目の利用だ。

水野愛さん:
一人だったらまだ違うけど花ちゃん(長女)もいてばたばたした中で料理を作るのは大変で。1ヶ月目は夜がいつ寝るか分からないとかリズムもつかめなかったから自分も眠いし。自分が取ったものがこっち(母乳)に行くと思うとあんまり変なものを食べられないなと

木村万理子さん:
切り干し大根は酢で戻す。だし、うまみをそのまま使える

素材を生かした、やさしい味付けを心がけながらてきぱきと作る木村さん。料理代行の料金は2時間10品ほどで6000円、3時間14品ほどで9000円。この日は2時間コースでカブの野菜あんかけや高野豆腐の卵とじ、切り干し大根サラダなど、13品を仕上げた。

木村万理子さん:
味付けは煮物系は薄めにしてあって、たんぱく質が結構たくさん取ったほうがいいのにわりと頭から抜けがちだったりするので、高野豆腐をたっぷり食べてもらったりとかバランスも考えながら作っています

水野愛さん:
野菜がいっぱいあってとってもおいしそう。金曜日に来てもらうと金、土、日と3日間料理をしないで過ごせるのでとってもありがたいです

夕方、保育園からお腹を空かせて長女の花ちゃんが帰ってきた。夫の帰りが遅いため、一足先に夕食。

水野愛さん:
きょうのメニュー、どれから食べる?

葉ちゃん:
おいしい

水野愛さん:
キャベツとにんじん、おいしいね、たまねぎも入ってるよ。お腹すいているときはぐずるので、その間待たせる時間がなくて助かります

つわりがひどく寝たきりで何も作れなかった

実は木村さんも1歳と3歳の子供をもつ母親。妊娠中は辛い思いをしたと言う。

木村万理子さん:
つわりがひどかったんですけど寝たきりで何も作れなかった

これが産褥シッターを目指すきっかけとなった。幸い木村さんは、隣に住む夫の両親や、すぐ近くの実家の両親のサポートを受けることがでたが、もしそれがなかったら…木村さんは周りのママたちが気になった。

木村万理子さん:
自分がかなりサポートが多い環境だから夫婦2人の人はどうしているんだろうと思って。家族のご飯が困ると思った

インターネットで知った福岡で料理の代行をしている女性と会って自分もやってみようと決断。2018年8月、会社を立ち上げ、この春から本格的に活動を始めた。木村さんは産褥シッターだけではなく、小さい子どもを持つ母親を募って料理教室も開いている。

木村万理子さん:
家事代行だとお母さんに休んでもらえるけど、家で簡単なご飯が作れればそれも休んでもらえる一つ

この日は作ったのは塩麹を使った料理。塩麹自体は麹と塩を混ぜて水を入れ、常温で1、2週間保管するとできあがるそう。

そのあとは、塩麹をかけてフライパンで蒸した「きのこ蒸し」。

蒸した葉物野菜を豆腐、塩麹、ゴマで和えた「白和え」などアレンジメニューを作った。

参加者:
野菜の味がしっかりいきていて塩麹だけでおいしくいろんな味で食べられました

参加者
塩分もそんなに使っていないと思うし、砂糖をつかってなくてもすごく野菜が甘く感じられるのですごい

自身も子育てに奮闘中の木村さん。だからこそ、わかるのがゆとりの大切さだ。子どもと向き合う時間が増えれば、子育ての自信につながると考えている。

木村万理子さん:
窮屈なまま忙しいまま過ごしていると気持ちの余裕もなくなっちゃうので、ちょっと頼ってもらって子供の様子が見れるとか寝顔がゆっくりみられる時間があるだけでも自分の芯、真ん中に戻れる。自信をもって子育てできるお母さんが増えていけるサポートをしたい

(長野放送)

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