大船渡市街地に押し寄せる津波【視聴者提供映像】

撮影日 : 2011年3月11日 場所 : 岩手県 大船渡市
岩手県・大船渡市を襲った津波の様子を捉えた映像。
大船渡町の大船渡保育園付近にて、さいとう製菓株式会社 齊藤賢治(さいとう・けんじ)氏が撮影。
市内に警報アナウンスが、けたたましく響き渡る中、わずか遠方にある大船渡港の海岸付近では、次第に潮位が高くなっていた。岸壁を静かに乗り越えたと思った波は、やがて勢いを増し、岸壁付近に停留する車を押し流し始める。
「堤防を越えてしまった!」と、撮影者が叫んだのもつかの間、漁船や大きなクレーン船まで明らかに流されはじめ、見守る人たちの悲鳴も、にわかに大きくなる。
目前の大通り(県道230号線)にまで水が流れこんだと思いきや、あっという間に、激流へと変わり、通り沿いの店舗を襲い、やがて自販機や家屋までをも流し出す。
撮影者も目前の光景に思わず号泣し、「止めてくれ!」と何度も悲痛な声を発する。
しかし、そうした人々の泣き声や叫びを全く無視するかのごとく、波は容赦なく、建物や家屋を襲い、次々と流し、あるいは破壊していく。
近くでも遠くの方でも、いたるところで激しい土煙が舞い上がる。
「収まってくれ!」と絶叫的な祈りも、もはや通じることなく、今しがたまで、つい目の前にあった町並みは、ほとんど海面に覆われてしまう。なおも高さを増して、街中に押し寄せる激流。
流された木造家屋が、ビルにぶつかって、粉々に破壊される様子も確認できる。
地獄絵図のような光景を前に、にわかに現実とは信じがたい...といった思いを口にする人たち。「チリ地震の時よりも、高い津波だ」という言葉も聞きとれる。
やがて街中を埋め尽くした波は、流れが止まり、次は徐々に、引き波へと変わっていく。
引き波は、少しずつ流れを速め、おびただしい数のがれきや残骸を、沖の方へと運び出していった。

さいとう製菓株式会社は、銘菓「かもめの玉子」の製造元として、全国的にも知られる菓子製造事業社。
撮影者の齊藤賢治氏は、同社の専務取締役であり、この映像には、同社の店舗や工場が津波に襲われる場面も、はっきりと記録されている。
公益のために、本映像を提供していただいた齊藤氏に、あらためて感謝の意を申し添えます。