日本維新の会の藤田文武幹事長は15日の会見で、足立康史衆院議員を党紀委員会にかけることを明らかにした。足立氏に対し、東京維新の会が「厳格かつ重大な処分」を求める上申書を提出していた。
維新内部で一体、何が起こっているのか。

維新は4月に行われた衆院東京15区の補欠選挙の期間中、「機関紙・日本維新」を配布した。裏表紙には、東京15区に出馬した金沢結衣氏ら2人の補選候補を掲載。選挙活動ではなく、政治活動用の機関紙として配布した。
藤田氏は「選挙管理委員会、総務省に法的な見解を確認しながら、適法の範囲内と確認しつつ慎重に進めてきた」と説明している。

しかし、選挙戦最中の4月18日、足立氏がSNSに、「党として、動員している方々に、平常行っていない方法での機関紙配布を指示することは、控えるべき」と投稿。公職選挙法に違反するリスクを指摘した。

さらに投開票翌日の29日には、「有権者が気づいてないとしても、ダメなものはダメです。東京維新執行部には、二度と、こうした現場で頑張る特別党員や党員支持者を不要なリスクにさらすような間違いを犯すことのないよう改めてお願いしておきたい」などと再投稿している。

この投稿に東京維新の会が激怒、馬場代表・藤田幹事長あての上申書を提出した。

FNNが独自入手した上申書は2通ある。
そこには「東京維新の会の選挙対策本部は大混乱に陥り、本来の選挙活動に専念できない状況」、「公に騒ぎ立てたことによって選挙中の現場を混乱させただけであり、そのような者が遵法意識を語るのは噴飯ものである」と、激しい書きぶりで足立氏の処分を求めている。

藤田氏は「上申書は、東京維新の会が役員会で議決されたものと承知している。処分ありきではなく、事実を確認する、当事者にも弁明の機会を与える、公平公正な判断のために党紀委員会は設定されている。それについては諮問した」と述べ、近く党紀委員会を開くことを明らかにした。

一方で藤田氏は、機関紙の配布について「選挙期間中に身内で撃ち合うのは選挙戦略上、大変マイナス」だとして、「途中でやめた」と語っている。

党紀委員会にかけられることについて、足立氏は「党紀委員会に諮問するという幹事長判断自体が間違っている。まずは党紀委員会の中止を求めたい」と反発した。
SNS投稿については、「法令遵守の観点から、慎重な判断が必要である旨、注意を促したに過ぎない。国会議員として当然の発信であり、政治倫理に則ったものである」とコメントしている。

選挙を管轄する総務省は、選挙期間中の候補者を掲載した機関紙の配布について、公職選挙法201条に基づく一般論として、「告示日前6カ月以上発行されている機関紙は、通常の方法で配布できる」と説明している。

機関紙を「通常の方法で」配布したのか、スタッフを特別に動員して「大々的に」配布したのか。ここが、適法かどうかの別れ道となる。

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