10日午後2時から、和歌山地裁で須藤早貴被告(28)の初公判が開かれた。

今から6年前の2018年。

野崎幸助さん(2016年)「1億円くらいは紙切れみたいなもの。わたしにとっては」

総資産50億円ともいわれ、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県の資産家、当時77歳だった野崎幸助さんが、自宅の寝室で急性覚醒剤中毒で死亡した事件。
その第1発見者となったのが、野崎さんの妻の須藤被告だった。

須藤被告は、事件の3カ月前に野崎さんと結婚。
資産家の夫が、55歳年が離れた女性と結婚した直後に死亡したとして注目を集めた。

記者「悲痛な心境だと思いますが、東京には何をしに来られたんですか?」
須藤被告「...」

疑惑の目が向けられた須藤被告は、謎の死から3年がたった2021年、殺人の疑いなどで逮捕された。

野崎さんが死亡する直前に、須藤被告と2人きりの時間があったことや、須藤被告が覚醒剤の密売人と接触したとみられることから、立証は可能と判断し起訴した。

この捜査の中で、詐欺の疑いがあることも浮上。

2015年から3回にわたり、北海道・札幌市に住む当時61歳の男性に海外留学の準備金が必要などと言い、あわせて約2980万円をだまし取った罪でも起訴され、2024年5月10日、その裁判が始まった。

腰のあたりまで伸びたストレートの長い黒髪に、黒いカーディガン姿で法廷に立った須藤被告は、落ち着いた様子で、「わたしが金を受け取ったことは事実。うそもつきましたが、それをわかったうえで、彼はわたしの体をもてあそぶために(お金を)払ったと思ってます」と話し、弁護側は争う姿勢を示した。

一方、野崎さん殺害事件の裁判は、起訴から3年がたつも、いまだに開かれていない。

関係者によると、須藤被告は調べに対し、黙秘を続けているといい、裁判の見通しは立っていないという。

詐欺事件の当時、須藤被告は19歳だったが、社会的関心の高い殺人事件の被告人であることを考慮し、実名で報道する。

関西テレビ
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