栃木県那須町の山中で、宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)が遺体で発見された事件。新たに実行役とみられる2人が逮捕されるという、急展開を迎えました。

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死体損壊の疑いで逮捕されたのは、韓国籍で職業不詳の姜光紀容疑者(20)と、元俳優の若山耀人容疑者(20)です。

姜容疑者は、宝島さん夫妻の遺体に火をつけた2人の実行役のうちの1人とみられており、遺体が発見される前日の午後9時半ごろ、都内のコンビニを訪れた平山容疑者と合流した2人の実行役の1人とみられています。

平山容疑者は姜容疑者との関係について、「去年の年末から今年の年明けくらいにカンと知り合って、何度か酒を飲んだ」と供述しており、呼び名だった「カン」もあだ名だと思っていたといいます。

宝島さん夫婦との接点や面識があるかどうかについては、まだ分かっていません。

確保の瞬間「びっくりした」との声が聞こえた

さらに、平山容疑者の指示役とされる佐々木光容疑者に関して、空港で身柄を拘束されたときの様子が分かってきました。

身柄確保を目撃したタクシー運転手:
お客さんが来るの待ってて、たまたま待ってる間に喫煙所から出てきたところを10人くらいで囲んで(容疑者が)「びっくりした」って声まで聞こえたんだけども。
あとは捜査員としゃべって、前の方に向かって歩いて行きました。みんなで囲んだまま。本当に静かで、何もなく、ただ、「びっくりした」って声だけ聞いて、警察がなんか答えて、質問したのかわからないけど、すぐ前の方に歩いてきました。

――入り口付近で確保ですか?
いや、入口でした。出たところにもうすぐバーっと集まってきて。

――何人くらい?
10人ぐらいですね。10人ぐらい集まってみんなが周りに囲んで、このまま歩いて行きましたね。

喫煙所から出てきた、佐々木容疑者を取り囲んだのは10人を超える捜査員。佐々木容疑者は、暴れるようなことはなく、おとなしかったといいます。

佐々木容疑者は逮捕後、「宝島さんの事は知らない。“上の指示役”から話が降りてきて平山容疑者に伝えた」と、事件についてさらに指示役がいると供述。

指示役、そして実行役が相次いで逮捕されたことで、今後の捜査の焦点はどこに絞られていくのか?元神奈川県警捜査一課長・鳴海 達之氏に見解を聞きました。

――実行役とみられる2人の逮捕、どちらも20歳という年齢ですが、なぜ犯罪に加担してしまったのでしょうか?
元神奈川県警捜査一課長 鳴海 達之氏:

特殊詐欺の話でいえば、悪いことだという認識はあるんです。やった後にどうなるかも分かっている。でも、それに手を染めないと生きていけないという事情も、裏ではあることはあるのです。今回の2人が、その事情にあるかは分かりませんが、断り切れなかった何かがあるのかもしれません。

――今後の捜査について、なぜ殺害を行ったのか、動機は分かってきますか?
逮捕された容疑者を取り調べて動機の解明に努めていると思います。全くわからなかったところから、少しずつ解明はされていると思います。
佐々木容疑者の上位にあたるのが誰かという捜査を、今進めているんだと思います。ヒエラルキーの組織ですから、“上位の指示役”を当たっていくのに、グループを把握していけば、自然に出てくると思いますね。

若狭勝弁護士:
“突き上げ捜査”と言うんですけど、警察は佐々木容疑者の直属の上の人だけでなく、さらにその上、その上という構図を見定めて捜査していく。それが今、できることだと思います。
(「めざまし8」5月1日放送より)