11月8日夜、山形・尾花沢市の玉野小学校の敷地内・グラウンドでクマ1頭が目撃された。けが人などの被害はない。2023年、県内でのクマの目撃件数は大幅に増えていて、11月5日時点で691件と2022年の同じ時期と比べて322件多くなっている。

11月になっても目撃情報相次ぐ

11月8日午後9時ごろ、小学校のクラブ活動で使用している機材を返却に来た40代の男性が、グラウンドでクマを目撃した。クマは体長が約50cmで、北の方角に立ち去ったという。けが人などの被害はない。

クマが目撃された玉野小学校のグラウンド
クマが目撃された玉野小学校のグラウンド
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玉野小学校では11月9日、通常通り授業を行ったが、徒歩で通学している児童の保護者に対しては、下校時に迎えに来てもらうよう要請した。

2023年、県内でのクマの目撃件数は大幅に増えていて、県によると11月5日時点で691件と、2022年の同じ時期と比べて322件多くなっている。本来、11月はクマが冬眠する時期に入るため目撃件数は減少するが、県内では11月1日からの5日間で2022年は0件だったのに対し、2023年は23件確認されている。

クマの目撃が相次いでいることについて、県みどり自然課は「ブナの実が全県的に凶作で、冬眠に入れないクマがエサを求めて人里に下りてきている」「この状況は11月いっぱい続く可能性がある」としている。

県は11月30日までクマの出没警報を発令し、山に入る際は音の出るもので自分の存在を知らせたり、複数人で行動することなど、注意を呼びかけている。

“ICT箱ワナ”安全確保・労力削減に効果

こうした中2023年度、酒田市がクマ用に設置したICTを活用した箱ワナが効果を得ている。

ICTを活用したクマ用の箱ワナ(提供:酒田市)
ICTを活用したクマ用の箱ワナ(提供:酒田市)

専用の通信機器が接続され、クマがワナにかかると自動で画像送信する仕組みで、11月7日までに4頭を捕獲しているという。

この箱ワナのメリットについて酒田市・矢口明子市長は「第一に見回り時の隊員の安全確保、第二に見回り労力の削減、こういった課題を同時に解消でき、非常に有効と捉えている」と述べた。

捕獲されたクマ(提供:酒田市)
捕獲されたクマ(提供:酒田市)

設置した箱ワナについては、猟友会の見回り回数が半減したという。酒田市の2023年度のクマの目撃件数は195件と、記録が残る2006年以降で最も多くなっている。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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