私がお伝えしたいのは、「難しい噴火情報の運用」です。
桜島の7月24日の噴火では、大規模な噴火の兆候はなかったものの突然、噴火警戒レベルが最大の5に引き上げられました。
大きな噴石が火口から2・5キロ飛び、近くの住民に避難を促すためでしたが、今後、巨大噴火につながるのかわかりにくさもありました。
3日後にレベル3に下げられましたがポイントはこちら。「突然のレベル5引きあげは適切だった?」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
現在の噴火警戒レベルは、2007年に導入された基準です。
それまでは火山活動度という基準で運用されていましたが、現在の基準は火山の活動、つまり噴火の大きさだけではなく、近くに住む住民への影響や、登山者への影響を考えて運用されています。
今回は住民への影響の部分でレベル5の基準に達したもので、2・5キロ以上の噴石が確認されると住民への避難を促すためにレベル5にするというのは基準に沿った適切な対応だったともいえます。
ただ、噴火警戒レベル5への引き上げは導入開始から2回目。桜島では初めてで、かなりのインパクトがあります。
また、レベル5への引き上げの発表だけだと、巨大噴火の恐れがあるかどうか一見では分かりにくい点もあります。
一方、死者行方不明者63人を出した2014年の御嶽山噴火。7月13日の裁判の判決では、損害賠償を求めた請求を棄却する一方で、当時、気象庁が「噴火警戒レベル」を5段階で最低の1から引き上げなかったことについて、判断は合理性に欠け、違法であるとまで言い切りました。
今回の桜島での噴火の規模や、御嶽山で発生したような水蒸気爆発はなかなか正確な予測が困難なだけにどのように運用するかは難しさがあります。