契約期間の廃止・違約金の大幅ダウン…ケータイ業界に革命?

大手携帯キャリア・SoftBankが新たに打ち出した契約の“2年縛り”の廃止

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これまで2年間の契約期間中に携帯を解約した場合、9500円の違約金がかかっていたが、9月13日から受け付けを開始する新料金プランは契約期間を定めず、いつ解約しても違約金がかからないものになるという。

さらに、この流れは他の大手キャリアにも…

KDDIは途中解約の違約金を1000円に、NTT docomoは現段階では未発表だが、10月までに新プランの発表があるといわれている。

auユーザー・40代女性:
会社で差異があれば変えたい。気楽に変えられる気がする

docomoユーザー・20代男性:
そんなにコロコロ変えたいと思わないので、あまり気にしていないですね

これまでの常識を大きく変えるプランだが、街の声はさまざまだ…

また、同じSoftBankユーザーからも「2年縛りがあると自分に最適なプランを探す前にあきらめてしまうので、色々と自由に調べたり選んだりできる(40代男性)」「携帯は安さだけで決めていないので乗りかえるかはわからない(10代女性)などの意見が挙がった。

長期ユーザーは損?キャリア乗り換えのメリットは…

この秋、携帯業界に訪れる大きな変化…そのメリットとデメリットについてITジャーナリストの石川温氏に聞いた。

ITジャーナリスト・石川温氏:
10月1日に法律が変わります。政府の意向もあって「各社1000円以下にしなさいよ」ということで今回、KDDIに次いでソフトバンクも発表しました

フジテレビ・風間晋解説委員:
乗り換えがしやすくなるという人もいますが、私のように1社を長く使っている人にとってメリットはあるんですか?

石川温氏:
メリットはどんどんなくなってきています。
政府の意向でとにかく「やめやすい環境」を作ることをやっていますので、長期ユーザーに対してはできるだけ割引を減らそうという、長く使ってる人からすると損する流れですね

風間晋解説委員:
釣った魚に餌をやらないという感じなんですかね…


「2年縛りの廃止」は長期利用者へのメリットがなくなることにつながるというが、そのメリット・デメリットをまとめると以下のようになる。

【メリット】
・他社へ乗り換えやすい→各企業が競争することで、通信料が下がったりサービスの向上が見込める

【デメリット】
・2年縛りが条件の値引きが廃止される
・長期利用者への割引に上限が発生する

乗り換えの“決め手”はサービス競争にあり

では、これを機に「他社に乗り換えよう」と考えている人にとっては、どのようなところが“乗り換えの決め手”となってくるのだろうか?

石川温氏:
自分に合ったプランを探して乗り換えていくことになると思います。さらに、最近ですと通信の差がないので、
・ポイントサービスの強化
・クレジットカードとのひも付けでの優遇
・動画サービスとの提携

など、非通信の分野で差別化をしている部分があります。こういったものと組み合わせてお得な携帯会社を選んでいくという流れです。

サービスで競争が激化する大手携帯キャリア。

そうした中、“第4の携帯”として注目されている楽天が携帯事業への参入について、本格的なサービス開始を延期することを9月6日発表した。

サービス自体は10月1日から開始するものの、半年間は東京・名古屋・大阪・神戸に居住する約5,000人を対象に、無料で音声通話と無制限のデータ通信を試験的に提供するにとどめるということで、本格的なサービスは年内の開始を目指すという。

変革の波が押し寄せる携帯業界。
今後どのようなサービスが登場するかにも注目だ。

(「Live News it!」9月6日放送分より)