「極めて無礼」と異例の猛抗議…一体なぜ?

7月19日午前、韓国の南官杓駐日韓国大使と面会した河野外相。
その冒頭、河野外相が南駐日大使にカメラの前で激しい抗議をする極めて異例の事態が起きた。

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南駐日韓国大使の通訳:
この方法を基礎として、より良い解決策を…

河野外相:
ちょっと待ってください!韓国側の提案は全く受け入れられるものでない。極めて無礼でございます。

相手側の発言中、身を乗り出すようにして割り込んだ河野大臣。

この怒りの“待った”が飛び出したきっかけは、日韓関係に大きな溝をもたらしているいわゆる徴用工訴訟問題だ。

今日の面会は、18日が期限だった仲裁委員会開催の手続きに韓国側が応じなかったことを受け、河野大臣が南大使を呼び出す形で行われたもの。

この席で、南大使は日本側がすでに拒否した「日韓双方の企業が賠償相当額を支払う」という韓国側の案について改めて言及し、これに河野大臣の怒りが爆発したというものだ。

河野外相:
以前に韓国側にお伝えをしております。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼でございます。これ以上は、マスコミが退出してから申し上げましょう。

異例の“公開猛抗議”に外務省関係者からも「あれはびっくりした」との声が…

「やりすぎという声はないか」という質問に対し、「言っていることは当たり前のことなので良いと思う」という声も挙がっていた。

フジテレビの風間 晋解説委員は、この“公開抗議”を韓国と日本の双方向にアピールする狙いがあると分析する。

風間 晋解説委員:
これはかなり意識して日本側が怒っているということをきちんと伝えたいと。特に目に見える形で韓国政府、それから韓国の国民に対しても「日本側は本当に怒ってるんだぞ」ということを見せたいと。同時に日本国民に対しても、政府はきちんと韓国に対して説明・対応をとっていますよというのをアピールしようってことも考えたんでしょうね。

韓国側は“全面対決”の姿勢

一方、韓国大統領府は会見で「国際法に違反しているという日本側の主張は間違っている」と表明し、全面対決の姿勢を見せている。

さらに、ソウルでは19日未明、日本大使館が入るビルの前の歩道にワゴン車が進入。運転していた男(78)は車内で火をつけ、病院で死亡したという。

警察によると男の家族は「男の義理の父親が元徴用工」だと話していて、知人への電話で「日本への反感で犯行に及ぶ」という考えを伝えていたという。

現地の日本大使館関係者は「今まで以上に注意し、邦人保護に力を入れる」としている。

(「Live News it!」7月19日放送分より)