新薬「キムリア」の価格

一部の白血病患者への効果が期待される新薬、キムリアについて、販売価格を約3349万円とすることが、中央社会保険医療協議会で了承された。

今月22日から、公的医療保険の適用対象になる。

キムリアは既存の方法では治療が難しい一部の白血病患者を対象とした薬で1回の投与で効果が期待できるが、実用化が進むアメリカでは価格が約5000万円で、販売価格をどうするか注目されていた。

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そのキムリア、1回の治療が約3349万円と大変高額だが、患者の負担は一体いくらになるのか。
通常、現役世代の自己負担は、かかった医療費の3割だが、高額な医療や薬に関しては、高額療養費制度というものがある。

この制度は収入に比例して、患者の負担の上限を、月ごとに定める制度で、例えば70歳未満で年収が約370万円から770万円の方がキムリアを使った場合に、自己負担額は約40万円で済む。

残りの約3300万円は公的保険から給付されることになる。
国の医療保険財政への影響が懸念されるが、キムリアは現時点で投与が見込まれる患者数はピーク時で年間216人と多くはないため、厚労省は影響は限定的だとしている。

ただ高額薬は医療技術の進歩とともに増えてきている。

去年ノーベル賞を受賞した本庶佑さんの受賞理由となった、がん治療薬のオプジーボも、年間で数千万円に上る費用のほとんどを、保険で負担する薬であるとして、これを保険適用するかどうかの是非が議論となった。

もちろん新薬は患者にとって朗報だが、国民皆保険の持続性との兼ね合いは国にとっても大きな課題である。

(「Live News days」5月15日放送分より)