長年地域の安全に貢献した警察官に贈られる「岡山県民の警察官」に2025年、選ばれたのは、岡山南警察署交通第一課の正富満警部補(51)。交通安全企画で地域を守る日々を追いました。
◆「企画物と言ったら正富さん。アイデアマン」交通安全とは関係なさそうな“意外性”
真剣な眼差しでカメラを構える岡山南警察署交通第一課の正富満警部補。ユニークな発想で数多くの交通安全企画を生み出し、2025年の「岡山県民の警察官」に選ばれました。
(正富満警部補)
「よく職を間違えたと言われる」
(部下)
「僕らでは思いつかないような企画を立案する」
(上司)
「交通部で企画物と言ったら正富さん。ずばり一言でアイデアマン」
岡山市南部を管轄する岡山南警察署。交通第一課に所属する正富警部補は免許の窓口対応や交通安全イベントの企画立案などを行います。交通安全とは関係ないことのようにも見えますが・・・実は、この意外性が、正富警部補が作る交通安全企画の特徴です。
◆普段の生活からヒント…見る人の記憶に残るものを作るためにシナリオ・撮影・編集を全て担当
見る人の記憶に残るものを作りたい。その思いから手がけた企画は数知れず、数々のユニークな企画で話題を呼んできました。
(岡山南警察署交通第一課 松原正悟巡査長)
「普段の生活の中で、良い題材はないかと探していると思う」
(岡山南警察署交通官 奥田益大警視)
「アイデアというか、色々なところからどのように訴えたら良いかを考えている。脱帽する」
中でも代名詞と言われているのが「横断歩道マンLEGEND」。岡山県警本部の公式YouTubeをきっかけに誕生し、横断歩道を渡る、歩行者の安全を守るヒーローです。シナリオから撮影・編集まで全て1人でこなす正富警部補の姿はまさにクリエイターです。
◆警察官人生の大半が「交通部門」交通安全に込める強い思いは死亡事故現場などの経験から
正富警部補は備前市生まれの51歳。1993年に岡山県警に入り、警察官人生の半分以上を交通部門で勤務しています。交通安全に込める強い思いがありました。
(正富満警部補)
「悲しい死亡事故の現場や当事者の方と話をする機会を何度も経験し、悲惨な事故を見てきた。反射材を配るにしてもこれを着ける着けないで人生が変わるかもしれないくらいに思ってやっている」
◆横断歩道マンLEGENDも応援!正富警部補デザインの反射材配布で中学生とともに啓発活動
この日は職業体験で訪れた中学生とともに近くのスーパーで夜間の交通事故に注意を呼びかけます。
「きょう、皆さんには警察官になってもらいます。ハロウィーンなので」
啓発グッズにも正富警部補のアイデアが光ります。
「ハロウィーンなのでお菓子を入れたのと、夜光たすきとお菓子の形をした反射材。パトカーの夜光反射材」
なんと、反射材は正富警部補がデザインしました。横断歩道マンLEGENDも駆け付け、現場はユーモア溢れる世界観に包まれました。
行き交う一人一人に丁寧に声掛けし、反射材の着用を呼びかけていきました。
◆「交通事故防止への強い思い」と「唯一無二のアイデア」で事故で悲しい思いをする人を減らす
この日はYouTubeの次回作に向けて、早速、撮影を始めていました。
(正富満警部補)
「どうやればみんなの心をつかんで良い施策ができるのかは常に考えながら今でも思っている。これからも1人、1件でも事故で悲しい思いをする人が減るように頑張っていきたい」
交通事故防止への強い思いと唯一無二のアイデアでこれからも地域を守っていきます。