政府主催で24日に行われた、天皇陛下御在位30年の記念式典。
沖縄出身で歌手の三浦大知さんは、陛下が作詞され、皇后さまが作曲された楽曲『歌声の響』を熱唱した。
両陛下にとって沖縄は特別な場所
陛下の記念式典では、これまでも有名アーティストが楽曲を披露している。
1999年の即位10年の民間式典ではX JAPANのYOSHIKIさん、即位20年の民間式典ではEXILE、そして今回は歌手の三浦さんが大役を務めた。
三浦さんが熱唱したのは、古くから沖縄に伝わる「琉歌」。なぜ、今回沖縄の歌が披露されたのか。
フジテレビの橋本寿史解説委員は「今の両陛下は、皇太子時代に初めて、昭和50年に皇族という立場で初めて沖縄を訪問されている」ことから、両陛下にとって沖縄は特別な場所であるという。
1975年に開催された国際海洋博覧会のため、沖縄を訪れた皇太子ご夫妻。
しかし、まだ皇室に対して複雑な感情の人も多く、火炎瓶が投げつけられることも。そんな中でも、両陛下は当時はまだ偏見も多く、差別を受けることもあったという、国立ハンセン病療養所「愛楽園」を訪れ、一人一人の声に耳を傾け手を添えられたという。
そして、両陛下が療養所を後にされようとした時に、旅の安全を祈願する沖縄民謡が湧き起こった。忘れられないその時の情景を陛下が詠まれた詞に、皇后さまが添えられたのが式典で歌われた『歌声の響』。
また、陛下は去年12月に行われた平成最後の誕生日会見でも、沖縄について「沖縄は先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました。皇太子時代を含め私は皇后と共に11回訪問を重ね、その歴史や文化を理解するよう努めてきました。沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていくとの私どもの思いは、これからも変わることはありません」と述べられている。
橋本解説委員は「両陛下にとって沖縄というのは、いろんな想いが詰まっている場所。宮内庁と相談して決められたのが、今回演奏されたものです」と話した。
期待に応えて見事に熱唱した三浦さんに、式典終了後、両陛下は歩み寄られた。
また、式典で『歌声の響』に続いて披露された『おもひ子』。この楽曲は、皇后さまが作曲されたもので、幼い皇太子さまの枕もとで歌われた子守歌だという。
(「めざましテレビ」2月25日放送分より)