北海道で、朝、収穫された野菜を富山との定期便で運び、その日のうちに、富山空港で販売する取り組みが行われました。

並んだのは、北の台地で育ったアスパラガス。
野菜販売の狙いは、空港の活性化と航空貨物の有効活用です。

18日土曜日の富山空港。
1階ロビーには、その日の朝、北海道安平町で収穫された新鮮なアスパラガス130束が並びました。

*購入した人
「新鮮でみずみずしくて美味しい。富山で買えない野菜を購入できる機会があれば、ぜひ立ち寄りたい」
「このようにスーパーで並ばないものが、空港に来て買えるならすごくいい。空港ならではのものなのかなと思う」

野菜を運んだのは、新千歳空港と富山空港を結ぶ定期便。
午前11時前に北海道を出発し、午後1時前に富山に到着しました。

この取り組みは、富山空港を管理、運営する富山空港ターミナルビルや全日空などが、空港のにぎわう創出を目指し行ったものです。

*富山空港ターミナルビル 村岡晋平常務
「コロナ禍以降、まだ客が戻ってきていない中で、空港のにぎわいを作りたい。飛行機に搭乗する客のみでは限界があるので、近隣に住む県民も空港に足を運んでもらい、楽しめる空港にしていきたい。その施策の一環がこのイベント」

野菜を提供する農家を手配したのは、北海道に拠点を持つ高岡市のアルミ商社、ホクセイプロダクツの社員です。
北海道のオフィスで所長を務める前田祐大さんが、日頃の営業活動でのネットワークを生かしました。

自身も実家が兼業農家という前田さん。
担い手不足に悩む生産者の危機を救いたいという思いから、この取り組みを考えました。

*ホクセイプロダクツ苫小牧営業所 前田祐大所長
「私も北海道に住んでいるが、食に関する危機があるというところから今回の事業を考えた。特に生産の現場が近いので人が減っているのを感じてこのままだとまずいと考えたのがきっかけ」

北海道の野菜を空港で販売する試みは、去年8月に初めて行われ好評だったことから今年も続けることになりました。

今回の取り組みの目的は、定期便の貨物スペースの有効活用もあります。

旅客機には、乗客の荷物を積み込むスペースとは別に貨物用のスペースがありますが、富山~新千歳便は有効活用されていないのが現状です。

今後は、北海道から富山に野菜を送るだけでなく、富山から北海道へ海産物を送ることも検討されています。

*富山空港ターミナルビル 村岡晋平常務
「富山の物産品を札幌にも紹介して、富山からへの物流も活性化していかないと貨物のスペースは埋まらない。北海道から持ってくるが、逆のルートも力を入れたい」

*購入した人
「甘い。美味しい。今後も続けてほしい」

富山空港の賑わいづくりと、定期便の貨物輸送の利用促進を目的に始まった北海道の野菜販売。
8月には、北海道で採れたトウモロコシなども販売することにしています。

各地の特産品を定期便の貨物で空輸し、そのまま空港で販売する取り組みは、岡山や静岡など全国で行われています。

特に、富山空港は、定期便の減便で利用者が減っているだけに、様々な取り組みで活性化を図ることが求められています。

富山テレビ
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