今年も田植えの時期を迎える中、新潟県柏崎市の田んぼに異変が起きています。一部地域では田植えの準備に支障をきたすほどの水不足となりました。

【記者リポート】
「田植えの準備が進む柏崎市です。去年は猛暑・渇水で大きな打撃を受けましたが、今年も厳しい状況が続いています」

【南条生産組合 藤田秀右 組合長】
「等級がものすごく低かったのが去年の稲作の状況だが、今回は最初から水不足・少雪ということで、なかなか先が案じられる」

5月9日朝、田植えが行われていた柏崎市の南条地区ですが、夏を前に早くも水不足による打撃を受けているといいます。

【南条生産組合 藤田秀右 組合長】
「(作業が)1週間以上遅れている。苗は順調に伸びていくから、その辺の絡みも大変苦労している」

柏崎市では、冬の少雪などの影響で数日前から農業用水不足が発生。

鯖石川の水をせき止め、農業用水を確保する藤井堰では、7日の時点で通常よりも水位が40cmほど下がっていました。

これを受け柏崎市は…

【柏崎市 櫻井雅浩 市長】
「鯖石川水系の末端の耕作者から『代かきができない』という水不足の声があったので、7日にダムの放流を始めた」

去年、ダムの放流を行ったのは出穂期にあたる7月25日で、今年は2カ月以上早い異例の事態となっています。

この水不足、実は去年の夏の渇水や冬の少雪だけが要因ではないようです。

【記者リポート】
「柏崎市南条です。こちらの地域の一部の田んぼでは、代かきの前の作業が行われています。去年からの水不足や地震の影響だということです」

地元の農家は元日に発生した地震で田んぼにひびが入るなどしたため、水が全体にいきわたらなくなっていることも水不足の原因と話します。

【南条生産組合 藤田秀右 組合長】
「水をためると湿りながら上がっていくが、給水をしても、たまって流れていかない、広がっていかないという状態」

ひびの入った田んぼの補修を進めながら南条地区での田植えは徐々に進みつつありますが、今年も夏の高温が予想される中、農家の不安は尽きないのが現状です。

【南条生産組合 藤田秀右 組合長】
Q.この先、梅雨が来るが?
「やはり(雨に)期待はしている。まずは一等米を基準に頑張っていきたい」

NST新潟総合テレビ
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