人口減少が進む中、投票機会を確保するため、鳥取県が全国初の試みです。6月に行われる鳥取県智頭町の町長選挙と町議会の補欠選挙で、投票所の「立会」にオンラインを導入するため、9日にリハーサルが行われました。

平井知事
「投票所にいる立会人などを集めるのは大変になってきた。その意味でオンラインで役場からやってみようじゃないか」

智頭町に平井知事が乗り込んだのは、選挙のためのリハーサル。6月に行われる町長などの選挙で導入を想定している投票所の「オンライン」立会の問題点を確認します。
人口減少が続く中、鳥取県内では投票所の数が約20年間で約3分の2に減少、県は近年の選挙での投票率低下にもつながっていると分析しています。
公職選挙法では、投票所1カ所につき2人から5人の「立会人」が必要と定められていますが、確保が困難だとする自治体が多いことから、県はその解決策として、立会の「オンライン化」を検討。総務省も4月に、投票所で少なくとも1人が立ち会うこと、オンライン立会人と投票所の間で双方向で意思疎通できることなどを条件に立会の「オンライン化」を認める方針を示しました。
オンライン立会いで投票が行われる車の中には、モニターが備えられ、画面にはオンライン立会人が映っています。
投票所になったのは、智頭町が導入した「コネクテッドカー」。ワゴン車に情報通信機器を搭載、移動式の期日前投票所として使われます。車内には、投票用紙の記載台や投票箱、投票所の管理者と立会人の席。そしてカメラつきのオンライン機器。ここから約10キロ離れた智頭町役場にいる2人目の立会人がモニター越しに投票の様子を確認します。
今回は、投票手順の確認のほか、投票を済ませた人が再度投票しようとするなどトラブルに対処する手順も確認されました。

現場の選挙管理員
「投票所立会人のご意見を伺います」

オンライン立会人
「選挙人Aさんは以前投票されたと記憶しています。投票を拒否するべきだと思います」

リハーサルには、選挙管理の実務に詳しい専門家が立会い、手順などに問題がないことを確認しました。

選挙管理アドバイザー・小島勇人さん
「総務省などからの通知などの要件もできていると思う。さらに当日に向けて適正に立会い業務ができることを検討していただけたら」

平井知事
「一つの風穴を開けることができたと思う。一番バッターとしてこれを成功させてもっともっと投票しやすい環境づくりに、まずはこの投票立会のところからスタートを切ってやっていければ」

オンライン立会による投票は、コネクテッドカーを使った期日前投票所と、投票日当日に7カ所ある投票所のうち1カ所に導入される予定で、実施されれば全国で初めての事例となります。

TSKさんいん中央テレビ
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