災害から命を守るため命がけで救助に向かう特別チームを描いたドラマ「ブルーモーメント」。

KTNで毎週水曜日に放送しています。

このドラマに消防士役で出演しているのが諫早市の創成館高校出身の俳優・水上恒司さんです。

話題のドラマや映画に次々と出演し、存在感を放つ注目の役者に単独インタビューしました。

戦時中にタイムスリップした女子高校生と特攻隊員の切ない恋を描いた映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」。

主役の特攻隊員・佐久間彰を演じたのが、水上恒司さん(24)です。

その演技力は高く評価され、デビューからわずか5年で第47回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞し、大きな脚光を浴びました。

話題作に次々と出演し、多忙な日々を送る中、今月2日、母校・創成館高校でのトークショーのため、3~4年ぶりに長崎を訪れました。

水上恒司さん
「お出迎えが…。野球部の時代の監督とコーチがお出迎えに来てくださるという気が気でない緊張感がすごい。ちょっとなんか生きて帰れるかなという感じできょうは…」

KTN記者
「当時ではありえなかった?」

水上恒司さん
「ありえないですね」

福岡県出身の水上さんは、小学生のときに野球を始めます。

甲子園を目指して創成館に進学し、寮生活を送っていました。

当時、野球部の部員は120人。

キャッチャー、そして副キャプテンとしてチームをまとめた経験は今につながっています。

水上恒司さん
「特に120人という本当に色んな人間が集まってきて、生まれ育った土地も違ければ、色んな価値観を持った人間たちが、がっと集まって、がって集中して一緒に共同生活するわけですから、それは色んな衝突というか価値観の違いみたいなものに対してギャップを感じたりするので」
「変に目立つのではなく、周りと共存しながら自分の価値とかを見出したり、生きる術とか生き方みたいなのを見つけていくことの大事さは創成館から考えないといけない部分があったので、そこが大きいですね」

卒業して6年、懐かしのグラウンドにも足を運びました。

「多少、無理してでも、このひと夏を一生懸命どれだけ必至こいてやれるかというのが、僕は野球をやめた身として、かなりの期間にどういうふうな姿勢で野球と向き合ったかというのがかなり生きているなと思うので」

11年間、野球漬けの日々を送っていた水上さん。

野球部の引退後、思わぬ転機が訪れます。

高校3年の秋、教師の誘いで

演劇部に入部し、初めて舞台に立つと演じることへの興味が芽生え始めます。

水上恒司さん
「県大会のときに「役者になりたいな」と思ったんですね。その前日に(大学でも野球を続けるために)僕、大学受験を受けていたのでまさかの急展開」

高校卒業後の2018年にドラマデビューを果たすと、次々と話題作に出演。

2023年、福原遥さんとダブル主演を務めた映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」はSNSでも大きな話題を呼びました。

水上恒司さん
「死の美学みたいなものを持っている若者を演じるのは、やっぱりすごく大変というか、現代人の僕の中にはない感覚ですので、その辺は大事にしていきたいと
思いました」
「長崎にいつ、何時何分、いつ原爆が落ちたとか、広島にいつ落ちたとか、終戦記念日はいつなのかとか、知らない若者ももちろんいっぱいいて。その若者たちが大人になっていく未来ってちょっと僕ぞっとするなと思ったわけですよ」
「戦争というものを知ろうと思うきっかけの作品になってもらえるようにっていう思いでつくっていきましたね」

風化を嘆く前にもっとやるべきことがあると感じたといいます。

水上恒司さん
「僕としてはやっぱり毎年その時間とかその日に何かしらのSNSで発信したりとか、忘れずに生きていくみたいなことしかできないので、少しでも風化するスピードを遅くするっていうことを意識して、やるしかないのかなっていうのは思ってますけどね。平和な今のうちに」

現在、水上さんはKTNで毎週水曜午後10時から放送しているドラマ「ブルーモーメント」に消防士の園部優吾役で出演しています。

自然災害から人の命を守るために活動する特別災害対策本部=SDMの一員として、過酷な現場で救助活動にあたる姿を演じています。

水上恒司さん
「災害大国ですからね。日本は。今年(2023年)も元旦から大変なことが起きて。ずっと南海トラフもいつ来るか分からないといわれてますけども」
「気象学をもとにして消防隊だったり、医療班だったり、色んなチームと掛け合わさって災害から人命を、そして財産等々を守っていく。そんな作品を届ける意味って何なんだろうっていうのはよく考えながらやってはいるんですけど」
「あ、優吾がいてくれたらいいなって思ってもらえるように、言葉の端々もそうですし、一挙手一投足も意識してやっているので、本当に全体はもちろん見ていただきたいんですけど、僕、個人的にはそういった部分を注目していただけると」

俳優・水上恒司さん。

デビュー当初から大切にしていることとは?

水上恒司さん
「芝居をやっていくうえで役者にとって一番大事なものは何か考えたときにどれだけ志をもって生きているかだったり、どれだけ必死に生きているかだと思うんですね」
「一般社会と比べてちやほやされることも多いですし、よいしょよいしょされるからこそ、なぜ自分がそこにいれているのか、見失うことは簡単にできるので。周りにも見失っている方も僕は何人か見てきましたし。見失っていない先輩方がいるからこそ、あ、こういう先輩方は何を見つめて芝居しているのかなと気になりながらいつも見ていたりしますね」

8日10時からの第3話では、市街地で大規模な火災が発生し、SDMは被害を最小限に食い止めるべく奮闘します。

消防班の統括責任者となった水上さん演じる優吾の活躍にも注目です。

テレビ長崎
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