プロ野球開幕1カ月。新監督として好スタートを切った福岡ソフトバンクホークスの小久保裕紀監督(52)に単独インタビュー。好調の要因、そして今後の戦い方について聞いた。

“開幕ダッシュ”に手応え

記者:
3試合連続サヨナラ(4月27日~29日・対埼玉西武ライオンズ戦)という、“空気ピリピリ”のゲームも続いて、監督もさぞかし痺れた?

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小久保監督:
ゴールデンウィークが始まって、あれだけお客さんが入ってくれているなかで、「いいゲームを見せられたな」とは思いましたよ。ただ、やっていたら紙一重で。精いっぱいやっていて、結果的にサヨナラ勝ちだったですけれども、紙一重というか、冷や冷やというか、そういう試合でしたね

記者:
開幕から1カ月経ったが?

小久保監督:
やっぱり開幕のオリックスの3連戦、開幕シリーズがすごく昔のようには感じますけども、監督として初めての勝ち越しがかかったゲームであったりとか、1戦目の初勝利がかかったゲームだったりとか、いろいろ“初”があったので、あのときよりは、いまの方が大体、どっしりと采配することができているかなと思います。ただやっぱり、「4月でいいスタートを切りたい」というのは、ずっと言っていたんでね。そこをクリアできたことは非常に大きかったなと思いますね

好調な打線と“先発陣の頑張り”で首位に

スタートダッシュの手応えを口にした小久保監督。充実の打線に対し、先発投手の補強はなくシーズンを迎えたホークスだった。

記者:
投手陣、打撃陣をそれぞれ見ると、数字の上ではリーグ上位に入るということで、順調と思うが…

小久保監督:
投手陣は、日程的に6連戦がセ・パ交流戦まで2週しかないですよね。投手は6人必要ないんで、結構、余裕のあるローテーションを組むことができているし、それもあって「投手陣が課題」と言われているなかで先発がしっかり仕事をしてくれて、先発がゲームを壊してしまう試合がほとんどないので、何とかそのへんが、いまの順位に直結していると思います

小久保監督:
打線で言うと、やっぱりクリーンアップが大きなケガなく、どっしり座ってくれていることが周りの選手たちにいい影響というか、主役がどっしりいる分、脇役がしっかり働きやすいという打線にはなっているかなというふうに思いますね

好調の打線。打撃成績はリーグ上位を占める活躍を見せている。打順は、数試合を除き1番から5番までは、ほぼ固定されている。

記者:
今年、監督は「4番、山川穂高」と最初に言われたと思います。そこを最初に決めたいというのは?

小久保監督:
いや、実際、(打順の)提案はコーチ陣なので、自分が全部決めてたら4番に山川は置いたかもしれないんですけど、近藤(健介)が5番じゃなかったかもしれないし。実は、始まってみたら(近藤の打順は)「僕の頭にはない打順だな」と思いますね。これが他の人(=コーチ)を使うってことだと思うので、やっぱりそれでやってみると、“4番山川”をしのいだ後の“5番近藤”って、相手ピッチャーからしたら、バッテリーからしたら相当嫌だろうなって、ベンチで見てて感じたんで

記者:
クリーンアップにつなぐ1、2番も、すごくいまは機能してるように見えますが

小久保監督:
うん、まあ、周東(右京)がしっかり機能してるのが一番大きいですよね。1、2番が機能しなければ、もっと打順を考えたと思います、正直。ただ1、2番の出塁率が高い、開幕してからずっと高かったんで、だから「3、4、5番を固定できた」ということが言えますね

川村選手が9試合連続安打 昇格3選手の評価は

記者:
“育成”から上がった3選手(川村友斗、緒方理貢、仲田慶介)、それぞれヒットも打って持ち味を出していると思いますが、この3選手の評価、監督はどう?

小久保監督:
レギュラー陣がある程度、固定した戦いができそうだというスタートを切ったなかでは、残りは控え選手が必要なんで、別にスタメンで行く選手は余り必要なかったんでね。だけど川村をスタメンで使ったらヒットを打ったり、決勝打点をあげたりとか

小久保監督も驚く活躍を見せている川村選手。自身3試合目のスタメンとなった4月24日のゲームでは、降雨、7回途中コールドにも関わらず、4打数3安打1打点と初の猛打賞を記録した。小久保監督の2軍時代からの教えを守り、試合後はベンチのペットボトルを片付けるナイスガイだ。9試合連続安打も記録し、大車輪の活躍(※5月3日までの記録 = 打率4割2分9厘、出塁率5割)を見せた。
小久保監督も愛弟子の成長に目を細める。

小久保監督:
正直、川村はあそこまですぐに1軍のピッチャーに対応できるとは思ってなかったですね

セ・パ交流戦までの戦い方は…

記者:
これから交流戦まで、どのチームが手ごわいとかは?

小久保監督:
手ごわいのは、だから何回も言いますけど、西武との対戦カードは、対戦はうまくいきましたけれど、紙一重なので、あの西武の投手陣はもう本当に脅威です。日本ハムファイターズも投手陣がいいですね。やはり後半に出てくるピッチャー陣のレベルがすごく高いので、やっぱり劣勢から逆転まで持っていっていったら、「ちょっと難しい投手陣だな」というふうに思いますね。まぁ、とにかく日々新たに、次の対戦カードのことばかり考えています

シーズンはまだまだ始まったばかり。今後も小久保監督の手腕に注目だ。

(テレビ西日本)

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