幅広い世代に親しまれ、身近な存在のオレンジジュースが、今、スーパーから姿を消す品薄状態になっている。

アサヒ飲料の「バヤリース オレンジ」や森永乳業の「サンキスト 100%オレンジ」など、大手飲料メーカでは相次ぎ商品の販売を休止。さらに、オレンジジュースの代替商品まで登場する事態になっている。

オレンジジュースが“高級品”に?

取材班が訪ねたのは、オレンジジュースの製造メーカー、トモヱ乳業の茨城・古河市にある工場。製造部の国府田正徳部長によると、製造量は1日2万本ぐらいで、以前は3万本ぐらい作っていたという。

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濃縮した原料の場合、オレンジの2024年の仕入れ値は2022年と比べ、4倍の1L当たり最大1000円以上まで高騰しているという。購買部の落合正行部長は、オレンジジュースがなくなる可能性もゼロではないと指摘。「売れ行きも落ちていて、今オレンジジュースがすごく高い物になっている」と話した。

輸入不足で高騰…日本は円安で買い負けも

オレンジ高騰の背景にあるのは輸入不足だ。

日本果汁協会の川村和彦さんは、国内のオレンジの大半がブラジルからの輸入に依存していて、その供給量が3分の1まで減少していると指摘する。

オレンジの世界的産地であるアメリカフロリダ州を2022年、2023年にかけてハリケーンが襲来。そのため、アメリカでもオレンジが不足した結果、ブラジル産オレンジの奪い合いが起きている。しかし、歴史的な円安に見舞われている日本は競争力が弱いため、他国に買い負けてしまっているという。

こうした状況の中、セブン-イレブンではオレンジに変わり、国産ミカンを使用した新商品が登場した。

オレンジジュースショックはしばらく続きそうだ。
(「イット!」5月1日放送より)

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