吉田輝星投手「金農旋風」から6年　「オリックスで良かった」移籍きっかけに進化　マウンドで輝く星に！

ことし日本ハムからトレードでオリックスに移籍した吉田輝星（よしだこうせい）投手。かつて甲子園で「金農旋風」を巻き起こしたことを覚えている方も多いのではないだろうか。その吉田投手が新天地・オリックスで“進化”を目指し奮闘する姿に迫った。

吉田輝星投手：オリックスだから良かった。中嶋監督とかもいますし、いろいろ教えてもらっている中で、オリックスで良かったなっていうのはすごい思いました。

■鳴り物入りで日本ハム入団　しかしプロの世界は厳しく…

今シーズン、オリックスに新加入した吉田輝星投手。

「投手王国」と言われるオリックスで開幕1軍を勝ちとり、ここまでチームトップの10試合に登板。リリーフの柱の一人として活躍している。

そんな吉田投手が初めて脚光を浴びたのは、6年前、2018年の夏の甲子園。記念すべき100回大会で巻き起こった「金農旋風」。代名詞のストレートでチームを準優勝に導いた。

一躍“時の人”となった吉田投手は鳴り物入りでプロの世界へ。ルーキーイヤーには、プロ初登板で初勝利。このままスター街道を歩んでいくと誰もが期待したのだが、先発としてあげた勝利はこの1勝のみ。リリーフとして起用された昨年の登板数はわずか3試合。プロの強打者を抑えることは簡単ではなかった。

吉田輝星投手：どうやって投げればいいのかなって。『高校の時はこうやって投げてたよな』と思うことが多かったんですけど、体とかも変わっているのに、その感覚に戻そうとか、ぐちゃぐちゃになったりするときもあるし。

打者を抑え込めていた過去の自分。どこへ進めばいいか、分からなくなっていた。

そして去年11月、オリックスへのトレード移籍が決定。

吉田輝星投手 2023年11月：（オリックスは）投手陣が強いイメージがあるので、僕もしっかり進化していきたい。

このトレードが大きな転機となる。新天地で迎えることとなった、ことしの春季キャンプ。

吉田輝星投手：プロに入った1年目とは違いますけど、オリックスは1年目だし、初々しく全力でやろうと思います。

そんな吉田投手に早速あるきっかけが訪れた。かつて日本ハム時代に、大谷翔平投手やダルビッシュ投手を指導した経験を持つ、中垣征一郎コーチ（54）との出会いだ。

巡回ヘッドコーチ中垣征一郎コーチ：ターゲットに向かってしっかり体を運んでいって、踏み込みに対して、方向とタイミングを合わせていく。自分の一番効率のいい腕のスイングが出せるように。

一歩踏み込み、方向を作って投げる。課題としていた体重移動を徹底的に体に染み込ませていく。この練習が吉田投手の考え方もシンプルにさせた。

吉田輝星投手：本当に言われたのは、『まっすぐ立って、まっすぐ移動して、変な方向にそれないようにホームに投げる』っていう練習だったので、よりシンプルな考えで、試してみて、すごい感覚も良かったので。

巡回ヘッドコーチ中垣征一郎コーチ：本人がすごく面白さを感じながらやってくれているように僕は感じたので。しんどいけど面白いっていうことが続けられれば、きっと彼の力が発揮できるチャンスが、より広がっていくんじゃないか。

キャンプ序盤から続けてきたこの改造。確かな手応えを感じていた。

さらに、中嶋聡監督（54）の助言でストレートをより生かすためのヒントを得ることができた。

吉田輝星投手：ストレートがどう速く見えるかとか、ストレート来るかなって思ってない時にストレート来たりとか、監督がキャッチャー出身だったので、教えてもらって勉強しています。ストレートで勝負したいっていう目標は変わらないですけど、考え方が変わった。

進化を見せつけたのが4月11日の楽天戦。1点も許されない重要な場面での登板。楽天のクリーンナップを、見事三者凡退に抑えた。磨き続けてきたストレートは輝きを増していた。

進化の先に見据えるものとは…
吉田輝星投手：観客が多いとか、一番大事な試合とか。マウンドに上がって景色を見たら、勝手にスイッチが入るタイプなので。

日本中を沸かせたあの夏から6年。あの輝きをもう一度…
吉田輝星投手：すごいピッチャーの人って、マウンドで雰囲気があるというか、オーラがあるというか、そういう圧倒的な感じがあるので、そういうピッチャーになりたいと思います。

体重移動に関して、いまの段階では、左足を着くところまでしか完全には習得していないという。その先の動作まで全て自分のものにしたら、いま以上に“進化”するのではないかと、ファンの期待は高まる。

（関西テレビ「newsランナー」 2024年4月29日放送）

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