宮城学院女子大学で新種のサンショウウオが発見されました。長年、大学の構内の水辺に生息していて、在来種だと思われていたそうですが、よくよく調べたらなんと、新種と判明!いったい、どんなサンショウウオなんでしょう?

新種のサンショウウオが見つかった宮城学院女子大学へ。
研究に携わった田中 一裕教授です。

Q今回発見された新種のサンショウウオというのは?
田中 一裕教授「これです」
Qお名前は?
田中 一裕教授「センザンサンショウウオといいます」

見た目は普通のサンショウウオ。研究していた当時の助教授も、「トウホクサンショウウオ」という、もともといる生き物だと長年思っていたそうです。

田中 一裕教授
「間違いなくトウホクサンショウウオだと思って、論文書いたんです」

ところが、その論文を読んだ他の大学の先生が、「もしかして?」と思いよく調べたところ、在来種とはDNAが異なる「新種」と判明したそうです。

Qセンザンサンショウウオとトウホクサンショウウオなにが違う?
「見た目にはほとんど違いがないんです。だから見てもわからないんですよ」

高橋咲良アナウンサー「これだけお話を伺っていると、実際のセンザンサンショウウオ見たいですね。」
田中 一裕教授「…いきますか?」
高橋咲良アナウンサー「言わせたみたいな感じに…」

ということで、大学の敷地内に広がる広大な森の中へ!…行くはずでしたが。

田中 一裕教授
「繁殖池はサンショウウオの親がまだいるんですね。昼の間は落ち葉の下に潜っていたりする。そこに我々が踏み込むと、踏みつぶす可能性があって、あまりよくないんですよ。」

貴重な生態系を壊すわけにはいきません。センザンサンショウウオの生息場所は、大学の中でもヒミツなんだそうです。
しかし…!

田中 一裕教授
「ここで見つけたんですよね(サンショウウオの)子供をそこで。」

近くの小川にセンザンサンショウウオの子供がときどき姿を現すそうです。この場所なら探しても大丈夫ということでさっそく捜索開始!

田中 一裕教授
「その草の根本あたりに網を持っていってガサガサしてみる。網を取り出して、中をチェックする。こうやっているかどうかを見るんですよね。」

一目だけでも、会いたい…。さらに捜索範囲を広げます。

捜索から約2時間…

高橋 咲良アナウンサー「いやー田中先生、けっこう探しましたけれど、いないですね。そもそもそう簡単には見つからないものですか?」
田中 一裕教授「そうですね、ほとんど見つからないです。繁殖池以外はまず無理です。」

Q新種の発見は、どうつながっていきそうですか?

田中 一裕教授「身近な自然だけれど、注意して見ていれば何かしら発見はある。でもその発見って、我々が遠くにいて観察してもなかなかできないんだけれど、身近なところであればチャンスはいっぱいあるわけだから、しっかり見ればいいんですよ。だからできるだけ機会を見つけては自然に接するというのは、僕はありだと思っていて。」

新しい発見は身近なところにこそ、潜んでいるのかもしれません。

実はサンショウウオの新種は、全国で発見が相次いでいるそうです。
およそ50種類のサンショウウオのうち、およそ半数がここ10年ほどで見つかった新種なんだそうです。
近年、DNA解析が研究に取り入れられたことで、長年、在来種と思われていたサンショウウオが「じつは新種だった」という、今回のような事例が続々と報告されているそうです。

田中教授は今回の発見が生き物に興味を持ってもらうきっかけになって、自然を大切にする人が増えてほしいと話していました。

仙台放送
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