静岡県牧之原市の認定こども園で送迎バスの車内に置き去りにされ死亡した女の子(当時3)の父親が、こども園の廃園を求める署名を牧之原市の杉本基久雄 市長に手渡しました。

河本千奈ちゃん(当時3)は2022年9月、牧之原市の認定こども園・川崎幼稚園で送迎バスの車内に約5時間にわたって置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。

当時バスを運転し、業務上過失致死の罪で在宅起訴されている園の運営法人の元理事長の被告は千奈ちゃんの両親に廃園を約束しましたが、運営法人は「園児がいる以上放棄できない」として運営を続けています。

これを受け、両親は2023年9月から園の廃園もしくは運営法人の変更を求める署名活動をオンライン上で行っていました。

そして4月30日、千奈ちゃんの父親が牧之原市役所を訪れ、9520人分の署名を牧之原市の杉本基久雄 市長に手渡し、「子供たちが安心して通える園になるよう行政も動いていただけたら」と協力を求めました。

千奈ちゃんの父親:
この地域とか、この場所に認定こども園は必要だとは思います。ですけれども、榛原学園、あの一族が経営しなくても私は絶対にいいと思っています。もっと安心で安全、まともな経営陣が子供たちを見ればいいと思っているので、重く受け止めてほしい

牧之原市・杉本基久雄 市長:
(運営する)榛原学園が河本さんと交わした約束、これを真摯に向き合ってもらって、今後 川崎幼稚園をどうしていくか、河本さんに納得してもらえるような説明が必要であると考えています

「廃園にします」と約束していたが…

千奈ちゃんが送迎バスに置き去りにされ亡くなったのは2022年9月5日です。

その翌日の9月6日、当時の理事長だった被告は「廃園にします」と遺族に約束していました。

しかし、こども園の運営は続いていて、運営法人は廃園の約束について「元理事長が自責の念にかられて独断で行なったもので、運営法人としての決定ではない。入園希望者がいる以上継続しなければならない」と説明しています。

一方、千奈ちゃんの両親は廃園・または別の運営法人による運営を求めています。

置き去り事件をめぐっては、当時の理事長と当時のクラス担任が業務上過失致死の罪で起訴されていて、5月15日に2回目の公判が行われます。

テレビ静岡
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