桜島の火山活動の研究を43年間続けてきた、京都大学防災研究所の井口正人元教授が、鹿児島市が新たに設置する火山防災専門官に就任することが明らかになりました。

28日、鹿児島市のホテルで開かれた、井口正人元教授の退職記念祝賀会。井口氏は桜島の京都大学防災研究所で、3月の退職まで43年間にわたって、桜島の観測や噴火予知などの研究を行ってきました。

2008年、桜島のマグマだまりの動きや位置を把握するための調査が初めて行われました。当時准教授井口氏は取材に「(マグマの)動き出しをいち早くつかまえることが次の火山噴火予知に役立つ。今回の調査はまずその移動経路をおさえるというつもりでやっている」とコメントしていました。

祝賀会が開かれた28日は、実は井口氏の誕生日。140人を超える出席者から、ねぎらいの言葉をかけられる中、鹿児島市の下鶴市長からある発表が行われました。

鹿児島市・下鶴隆央市長
「本市の火山防災対策の中枢を担う、火山防災専門官に就任いただくことにいたしました」

井口氏は6月1日付で、鹿児島市が新設するポスト、火山防災専門官に就任し、桜島の大規模噴火発生時には避難指示を発令するための助言を行うほか、2025年度から鹿児島市が運用を始める、桜島火山防災研究所の研究計画の策定にも取り組むということです。

鹿児島市の火山防災専門官に就任予定 井口正人氏
「どういう災害が起こるのか、災害を克服するためにはどうしたらいいのかということを考えていくのが次のステージかなと思っています」

鹿児島テレビ
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