一般ドライバーが自家用車で客を乗せる「ライドシェア」サービスが、日本で4月1日に解禁された。タクシー不足解消を目指しているが、まだ認知度が低い。運行時間の制限もあり、普及への課題が残る状況だ。

ドライバー不足解消の一手に…想定外の事態も

ついに日本でも、一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を乗せる「ライドシェア」が解禁となった。

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スマホをポチッとすると、「ライドシェア」がやってくるようになる。
自家用車をもっていれば、営業することも可能になる。

では果たして、そのライドシェアは普及するのだろうか。

スマートフォンを持っていた女性の側に停まる赤い車。扉には、「自家用車活用事業」の文字があった。車から降りてきた人が、「こんにちは。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」と女性に聞き、その後、女性は赤い車に乗った。

一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を乗せる「ライドシェア」。東京・江東区で5日午前11時過ぎ、タクシーアプリを運営する「Uber Japan」が導入に向けたデモンストレーションを行った。

Uber Japan・山中志郎代表は、「これからますますドライバー不足、タクシー不足は進行していく。自家用車活用事業が、社会課題を解決するための一手になればいい」と話している。

ライドシェアを利用するには、アプリで予約。行き先を入力すると、タクシーの他に自家用タクシーの選択画面があらわれ、乗れる人数や事前に確定した運賃が表示される。

いち早く導入したのは、タクシー会社の「三和交通」。社員が踊るダンス動画が話題で、この動画を投稿したところ、若者の間でも知られる存在になった。ライドシェアは、8日から開始する予定だ。

三和交通・広報担当は、「タクシーの供給不足を解消することが必要という認識があるので、改善できるのであれば参画していこうと」と話す。

しかし、導入をめぐっては想定外のことがあったという。

三和交通・広報担当は、「最初にプレエントリーをさせていただいて、700人以上の応募があり、内定が97人となっております」と話す。
当初の応募は多かったものの、採用できたのは予想以下だった。

一方、利用する側の間にも、まだまだ浸透していない。東京・有楽町で5日、インタビューを行ったところ、20代の人は「よく報道とかされてるんで、言葉は知ってたんですけど、詳しくはわからない」と話した。別の20代の人も「言葉は知ってるけど、詳しくは分からない。知らなかった」とコメント。

さらに、こんな心配もあった。
40代の人は「言ったところではないところに連れていかれたらどうしようとか、考えたら怖い。知らない人の車に乗るということだから」と話した。

運行時間の制限 応募者の誤解

働く側も利用する側も、困惑がある中で始まったライドシェア。このままで普及するのだろうか。

1日に解禁された、東京や神奈川など4都府県の一部の地域で利用が始まる「ライドシェア」。このライドシェアは、日本ではタクシー会社の管理のもとで行われるもので、東京では8日から始まるという見通しだ。

運転手の人手不足解消で始まったライドシェアだが、順調に準備が進んでいるわけではないようだ。

ライドシェアに参入するタクシー会社「三和交通」の場合、問い合わせを含めて700人以上の応募があり、面接に進んだのは119人。最終的にドライバーとして働くことが決まっているのは、現時点で6人だけという。

その理由について、三和交通は「実際の運行時間を知らない人が多かった」「“スキマ時間に2時間で”との人が多かったが、実際は運行時間が決まっている」と話しており、条件を知って諦める人が多かったようだ。

例えば、ウーバーイーツの配達員だとスキマ時間にできるが、ライドシェアの場合は運行時間が決まっているという。 

ライドシェアの詳しい運行時間を見ていく。

東京都(23区・武蔵野市・三鷹市)の場合は、月曜から金曜の午前7時~11時、金曜・土曜の午後4時~午後8時、土曜の午前0時~午前5時、日曜の午前10時~午後2時と細かく時間が設定されていて、同じように神奈川・愛知・京都も時間が設定されている。

東京都は8日、神奈川県や愛知、京都でも4月上旬から始まる予定のライドシェアだが、5月以降、札幌市や大阪市など8つの地域でも始まる見通しだ。
(「イット!」 4月5日放送より)

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