4月1日に行われた静岡県庁の新入職員に対する訓示の中で、川勝平太知事が職業差別とも受け取れる不適切な発言をし、SNSには「行政のトップとしては不適格」など怒りの声が多数寄せられた。

川勝知事は4月1日に行った新入職員への訓示の中で、「公務員ですから人の役に立つことが大切」「公務において身に私を構えないことが大切」「言葉遣いはとても大切」「何よりも人の艱難(かんなん)を見捨てない。人が困っている時に助けるのが我々の仕事」など、公務員としての心構えを説いた。

その上で、「みなさん優秀ですから、なかなかものをわかってくれない人がいるかもしれない。そういう時に情理を尽くすことが大切。情理を尽くして自分が正しいと思う信念を貫くことが大切。そのためには勉強をしなくてはいけない」と述べた。

さらに、「実は県庁というのは、別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的にみなさんは頭脳・知性の高い方。ですから、それを磨く必要がある」と青果販売業や酪農業、モノづくりに従事する人たちを差別するかのような発言をした。

この発言が報じられると、SNS上には「トップの言う言葉じゃない」「どんな仕事でもリスペクトされるべき」「選民思想というか差別主義者というか。 碌でもない要素これでもかと詰め込んでるね」「どんな考え方を持つかは個人の自由だが、行政のトップとしては不適格」「農家をなめるな」「知事が第一産業をバカにするとは最悪すぎる。生活の営みを何だと思っているのか」などの声が寄せられた。

川勝知事をめぐっては、3月にも「藤枝東高校はサッカーをするために入ってきている。学校もボールを蹴ることが一番重要なこと。勉強よりも何よりも」「磐田というところは文化が高い。浜松より元々高かった」と、特定の高校や自治体を揶揄するような発言をしたほか、性別による役割を決めつけるような発言をして県議会2月定例会で苦言を呈されるなど、その言動がたびたび物議を醸している。

プライムオンライン編集部
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