2024年1月、福井県内の元経営者の男が、男子児童に対する不同意性交等の疑いで逮捕された。捜査が進む中で同様の犯行が次々と明らかになり、被害児童は6人にのぼる。初公判で弁護側は認否を「留保」。一方で検察側は「今後もかなり多数の追起訴を予定している」とした。

県内の男子児童6人にわいせつ行為

「不同意性交等」「性的姿様等撮影」「児童買春・ポルノ禁止法違反」「強制性交等」と、性犯罪にからむ4つの疑いで逮捕されたのは、福井市の元スポーツスクール経営・藤沢勝己被告(32)。2021年から2024年1月にかけて、福井県内の男子児童6人に対し、被告の自宅などでわいせつな行為をした疑いが持たれている。

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最初の逮捕以降、押収したスマートフォンに保存されていた動画などから、同様の犯行が次々と発覚し、これまでに5度逮捕された。被害児童と被告にはいずれも面識があり、逮捕時、男は行為について「自分のしたことに間違いない」と認めた一方、「スキンシップのつもりだった」としていた。

3月28日、福井地方裁判所で開かれた初公判。白いニットに紺のパンツ姿で法廷内に入ってきた藤沢被告は、マスクを着けていて表情をうかがい知ることはできなかった。

「過去に例を見ない性犯罪」悪質な犯行

今回の起訴内容は2021年から2024年にかけて県内の男子児童5人に対して、自宅などで複数回わいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで動画に撮影し、保存した疑い。

検察官が起訴内容を読み上げた後、内山孝一裁判長から内容の認否を問われた藤沢被告は、弁護人に回答を任せるとし、弁護人は「証拠が開示されていないため認否を留保する」とした。

これまで5回の逮捕で、警察などへの取材では藤沢被告は「おおむね容疑を認めている」としていたが、28日の公判で弁護側は「十分な証拠の開示」を求めて留保した。次の裁判は少なくとも1カ月先になるとされ、裁判自体が長引く可能性もある。

一方で福井地方検察庁は28日、藤沢被告による6人目の被害男児を確認したとして、不同意性交等などの罪で追起訴した。検察側は「今後も多数の起訴を予定している」としている。

被害者が子どもでもあり、ニュースでは「わいせつ行為」と表現するが、不同意性交等という罪名からも分かる通り、起訴状に書かれた内容は口にするのもはばかられるようなもの。

捜査関係者らも「県内では過去に例を見ない性犯罪」と話している。

取材では、藤沢被告はサッカースクールを運営していて生徒も多かったということがわかっている。保護者らによると「子どもに慕われていた」との話もあるが、指導者でありながらなぜ悪質な犯行を繰り返したのか。また、その立場を利用したのかなど、数多くの疑問がある。

全国的にも性犯罪は厳しく処罰される時代。こうした犯罪を再び起こさないためにも、得られる教訓は何か、裁判の行方に注目したい。

(福井テレビ)

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