神奈川県が中学2年生がいる家庭を対象に行った調査で、いわゆる貧困家庭とされる割合が10.1%に上り、約10人に1人が厳しい経済環境に置かれていることが明らかになった。
県内の子ども食堂では、子どもから「ここでごはんを食べないと餓死する」という声も聞かれるという。
「おいしい」ほぼ毎日、食事を提供
神奈川県が中学2年生がいる家庭を対象に行った調査では、世帯所得が187万5000円以下の、いわゆる貧困家庭とされる割合が10.1%に上り、約10人に1人が厳しい経済環境に置かれていることが明らかになった。
横須賀市の子ども食堂「よこすかなかながや」には、様々な事情で自宅で晩ごはんが食べられない子どもたちがやってくる。
この記事の画像(12枚)子ども食堂「よこすかなかながや」 和田信一理事長:
やっぱり経済的に厳しい家庭はかなりいる。子どもの口から「“ながや”でごはん食べないと餓死しちゃうよ」とか……。
「なかながや」では、食材などを募って子ども食堂を開き、ほぼ毎日食事を提供している。
小学4年生:
おいしいです。
高校3年生:
今日、朝ごはんしか食べてなかったんで(ごはんが食べられて)うれしいです。
“学力や進学率に影響” 学習面でのサポートは…
必要とされているのは、食事面のサポートだけではない。
伊勢原市にある「学習サポートみらい・つなぐ」は、経済的な事情を抱えた子どもたちが対象の無料の学習サポート施設だ。多くの子どもたちが机に向かう。
中学2年生:
勉強を教えてくれる場所があるので、しかも、タダ(無料)でっていうところで(利用している)。母子家庭だから(家で)1人で勉強することが多いけど、ここに来れば、すごく温かく優しく教えてくれる先生がたくさんいて、友達とかもできるから、ここで勉強するのは楽しい。
現在は約40名の子どもが在籍し、大学生などのボランティアから学習指導を受けている。
子どもの貧困は学力や進学率に大きく影響するとされ、こうした学習サポートの取り組みは重要だと担当者は話す。
学習サポートみらい・つなぐ 細谷毅義さん:
貧困、あるいは経済的な理由で勉強ができないのはおかしいと。なので、その子、その子に合わせた学習課題に寄り添って一緒に学びあっていく。
神奈川県による今回の調査は、国が2022年に全国で行った国民生活基礎調査をきっかけに行われた。
神奈川県次世代育成課 深石薫さん:
国と比べると(神奈川県の)貧困率は若干低いということではありましたが、かなり厳しい数字が出ているなという印象は受けています。
(「イット!」2月21日放送より)