広島名産の「カキ」は雨不足や水温が下がらない影響で生育不良が続き、恒例の「カキ祭り」の中止が相次いでいた。それが、最近寒さが続いたことでカキの生育が戻り、身が大きくなってきており、4年ぶりに「カキ祭り」復活の動きが相次いでいる。音戸の瀬戸で有名な呉市音戸町の「カキ祭り」を取材した。
水温が下がり、カキの身が大きく成長
呉市音戸町。2月4日に待ちに待った恒例の「カキ祭り」が開かれた。
この記事の画像(18枚)音戸かき 販売促進部 栗原単さん:
生育が遅かったですけれども、最近よくなってきまして、みんなでやろうと言う話になりまして、これからよくなると思うので
生産量日本一の広島の「カキ」、今シーズンは各地で海水温の上昇と雨不足による「生育不良」で、身が厚く太らない状況が続いていた。
少なくとも3つの「カキ祭り」が中止になるなど、影響が広がっていた。
「生育不良」で呉市音戸町も年末までは、1~2割ほど小粒の状態が続いていたが、寒さが増し、海水温も低下。それに伴いカキの身も大きく、太くなった。
「カキ祭り」には、例年通りのむき身500kg分、殻付き3,500個を確保した。
五十川裕明記者:
身がしっかり詰まっています。これは満足感たっぷりですね。うま味もたっぷりです
焼きガキとカキ雑炊に舌鼓
新型コロナの影響で「音戸かき祭り」の開催は4年ぶり。
久々にふるまわれる名物の雑炊や焼きガキを目当てに多くの人が長い列をつくった。
来場者の子ども:
おいしい
来場者:
ここで売っているのは、すごく大きいので、来てよかったなという感じです
佐伯水産 玉津晃洋さん:
いいと思いますよ。プリプリ、プリプリ
音戸かき 販売促進部 栗原単さん:
大盛り上がりしてるね。よかったですね。カキも悪くないし、いい感じですね
生産者たちの予想を上回る盛況ぶり。殻付きの3,500個は3時間で完売となった。
「生育不良」が解消され、これから広島県内各地で開かれる「カキ祭り」は、それぞれ、通常規模の開催を見込んでいる。
生産者は安堵する一方で、先行きに危機感を募らせる。
音戸かき 販売促進部 栗原単さん:
相手は自然なので、自然とうまく対話する必要がある。温暖化もあるが、品種改良もあり、その中でいいものは生まれてくると思っていて、気候変動対策の勉強も生産者同士でしていきたいと思います
広島の名産「カキ」の旬のずれ込みが来シーズン以降、元に戻るかは今だ不透明な状況だ。瀬戸内海で起きた「異変」に振り回される生産者たちだが、自然を相手に前向きな姿勢を崩さない。
(テレビ新広島)