能登半島地震で被害を受けた能登空港では、27日から旅客機の運航が再開された。
一般の災害ボランティアの活動も一部の被災地で始まるなど、少しずつ復興に向けた動きが進んでいる。
27日から民間の旅客機の運航が再開された能登空港。
売店には、およそ1カ月ぶりに地元の土産物などが並べられた。
そして午前11時20分過ぎ、62人の乗客を乗せた再開後最初の便が到着した。
出迎えた人に励まされ涙ぐむ女性は、年末に東京に来ていて、地震のあと初めて自宅に帰るという。
地震後初めて能登に帰ってきた女性「初めて飛行機が通りましたので、長男に連れられて確かめに来ました。家がどうなっているか」
また、被災した家で暮らしている母親を自宅に連れて行くために来たという女性も。
千葉から能登に来た女性「断水中なので、母親を1回千葉の方に連れて来て、しばらく一緒に生活しようかと。(断水が)あと2カ月くらい続くというので」
母親「しばらく娘のところにお世話になろうと」
再開したのは、羽田空港と能登空港を結ぶ全日空便で、2月末まで火・木・土曜の週3回、1日1往復運航する予定。
27日で能登半島地震から27日目。
液状化の被害が深刻な石川・七尾市の住宅では、災害ボランティアの人たちが、重たい家財道具を運び出し、片付けを手伝っている。
七尾市など3つの市や町で、石川県が募集した災害ボランティアの活動が27日から始まり、75人が参加した。
ボランティアの人たちは、泥水を含んで重くなった畳をトラックに載せたり、部屋の中からテーブルや電気製品などを運び出したりした。
東京から来たボランティア「自分にできることは精いっぱいしたい気持ちからボランティアに申し込んだ。トロフィーとかもあって、思い出のある品物が多いと思うので、ちょっと悲しい気持ちになります」
ボランティアを依頼した人「自分たちだったらどうしていいかわからなかったので、手際よく進めていただいたので安心しました」
被災地では、今も多くの地域で断水が続いているが、内灘町のホリ牧場では、27日にようやく復旧したという。
ホリ牧場・堀牧人管理獣医師「やっぱりほっとしましたし、よかったなって。ほんとに。牛もそうですし、従業員も本当にがんばってくれた」
この牧場では、およそ400頭の牛を飼育していて、1日50トン以上の水が必要だが、断水直後は1日10トンほどしか確保できず、体調不良になった牛もいたという。
27日、ようやく水道が復旧し、牛たちもごくごくと水を飲んでいた。
そうした中、けがや病気などで、大学入学共通テストの本試験を受けられなかった受験生のための追試験が、27日から始まり、金沢市の会場では、地震で被災した16人を含む35人が受験した。
被災した受験生「避難所生活をしていたので勉強できなかった。自分の自己ベストを出せるようにがんばりたい」
追試験は28日も行われる。