2023年度の「山形県民の警察官」受賞者として、インターネットを悪用したサイバー犯罪から県民を守る県警本部・奥山将巡査部長を紹介する。

前職の民間企業で高いスキルを習得

県警本部サイバー犯罪対策課の奥山将巡査部長(45)は、フィッシング詐欺や不正アクセスなど、インターネットを悪用した犯罪の被害防止に取り組む行動力が評価され、2023年度の「山形県民の警察官」に選ばれた。

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山形県民の警察官・奥山将巡査部長:
私の目標は、年齢問わずどんな方でも安心してインターネットが使える世界を作りたい。そのために“警察力が向上していくこと”が私の考える理想。

奥山巡査部長は、2007年に29歳で警察官を拝命。警察官になる前は、民間のIT企業でPCインストラクターやプログラマーだった経歴の持ち主だ。民間で得た高いスキルを生かそうと警察官に転身したが、別の理由もあった。

山形県民の警察官・奥山将巡査部長:
祖父は、村山警察署の駐在所を中心に警察官をやっていた。父は、交通部を中心に交通課を長くやっていた。

警察官だった祖父と父の背中を見て育った奥山巡査部長
警察官だった祖父と父の背中を見て育った奥山巡査部長

奥山巡査部長は、警察官だった祖父と父の背中を見て育ったという。3代続くのは県警職員の中でも珍しい存在だ。警察官という仕事は“誇り”だと話す。

警察官を対象にサイバー犯罪の講義

サイバー犯罪の被害は、県内でも着実に増えている。5年前の51件に対し、2023年は86件となるなど対策は急務だ。

山形県民の警察官・奥山将巡査部長:
こちらに公開されているウェブサイトがあるとして、それを構成するためには3つ。公開するためには3つのポイントが必要であると言えます。

奥山巡査部長は現在、警察職員に向けて、サイバー犯罪の危険性や対策についての講義を定期的に行っている。

また、インターネット上にある違法薬物取り引きや、闇バイトなどの情報を警察に提供してもらう防犯ボランティア「大学生等サイバーパトローラー」に情報の発見方法などを教えたところ、情報提供の数は、2021年の20件弱から2022年は192件と10倍近い実績を上げた。

山形県民の警察官・奥山将巡査部長:
警察官を対象にして、サイバー犯罪やIT関係の知識を勉強できるようなトレーニングプログラムを作っています。

奥山さんは“エース”被害防止に尽力

また、民間企業での勤務経験を生かし、警察職員が自主学習できるサイバートレーニングプログラムを開発した。県警全体のサイバー犯罪への対応力向上に欠かせない役割を担っている。

県警本部サイバー犯罪対策課・守​谷美雪調査官:
奥山さんはサイバーの危険性や注意喚起を図る、または分かってもらう、そうした能力が非常にたけている。だからエースと思っている。

山形県民の警察官・奥山将巡査部長:
私自身、そして警察官が能力を向上して、県全体・国全体がサイバー犯罪にあわないように、あっても守れるようにしていくことが目標になっています。

サイバー犯罪が増加し、その手口が複雑化する今、奥山巡査部長はその被害防止に力を尽くすことを改めて誓っている。

(さくらんぼテレビ)

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