1月22日はカレーの日。社団法人全国学校栄養士協議会が、子供たちに好まれていたカレーを全国の学校給食メニューとして提供するよう呼びかけたことが由来とされている。カレーの消費トレンドについて分析すると、地域ごとの味の“顕著な違い”や、具材の人気に“面白い変化”が見られた。

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市場をけん引するのは「レトルト」

カレーのトレンドの変化として、レトルトが2017年にルーを逆転したことが挙げられる。(インテージ小売店パネル調査「SRI+」より)

2018年以降もレトルトの好調は続いており、ルーとの差は拡大傾向だ。

単身世帯や共働き世帯の増加を背景として、簡便化志向が高まっており、電子レンジやお湯で温めるだけで準備できるレトルトの“簡便さ”が支持されているのだろう。

北は辛党が多い!東北は激辛まで!

では、ルー・レトルトのタイプや、甘口・中辛・辛口といった味に、地域性は見られるのだろうか。2023年の1人当たりの購入金額を地域別に比較したい。(インテージ消費者パネル調査「SCI」より)

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まず、カレー全体では、北海道が全国平均と比べて1.11倍と購入量が多い。

ルーカレーは北海道でとりわけ多く、1.20倍。北陸・甲信越が1.19倍と続いている。

さらに、これらの地域では、辛口の人気が高いことが見て取れた。辛口の購入金額の全国平均に比べ、北海道は1.51倍、東北は1.22倍、北陸・甲信越は1.31倍となっている。

辛口のルーカレーの購入金額が高い地域
辛口のルーカレーの購入金額が高い地域

東北では、辛口だけではなく、大辛(「大辛」「激辛」など辛口よりも辛いことを訴求するもの)が1.57倍と人気だ。

レトルトカレーでは、北海道と北陸・甲信越で大辛の消費が目立った。寒冷な地域では、体を温める効果がある辛口のカレーが人気なのだろうか。

一方、甘口の購入が多かったのが中国、四国、九州。ルーカレーでは1.20~1.30倍の水準となっている。レトルトでも四国、九州は甘口が多めだ。中国は、日本海側の一部で大辛が人気となっていたため四国、九州ほどではないが、全国平均よりは甘口が多い。

甘口のルーカレーの購入金額が高い地域
甘口のルーカレーの購入金額が高い地域

九州は甘い味付けが好まれる傾向があると言われているように、地域性の表れなのだろうか。子供の有無別にみると、地域を問わず子供がいる場合に甘口が多くなる傾向があるが、中国、四国、九州ではその傾向が顕著だった。これらの地域では、子供に合わせてカレーを甘口にする風習が強いようだ。

夕食では依然として主流はルー

続いて、京浜・京阪神・東海の2人以上世帯について、朝・昼・晩の食卓実態を捕捉するパネル調査「インテージ・キッチンダイアリー」を使用して、カレーの調理方法を見てみたい。

2015年と2023年の1000食卓あたりでカレーが出される回数(TI値)をみると、レトルトは朝食・昼食・夕食のすべての食事場面で増加していた。

ただ、出現回数の大きさに着目すると、2023年の夕食でも、レトルトの9.0回に対してルーは29.9回と夕食はルーが中心であることが見て取れる。