2日午後6時ごろ、羽田空港で日本航空の機体と海保機が接触した事故で、日航機の乗客が機内の様子と脱出について語った。
北海道にレジャー目的で行っていたという山本さん(40代)は機体の前方に子どもと一緒に乗っていたという。
山本さん:
新千歳空港を出てフライトは順調でした。着陸前にタイヤの出る音がして、ようやく羽田に着く思った瞬間にバンと音がしました。急ブレーキがかかって、飛行機がざーっと滑るような、すごくスピードが落ちなくて、急停車するのがわかって、バンってなった瞬間に火が上がった
何かがぶつかったのかは「分からない」ということで、火が出ているのが見えた事から、鳥がエンジンに入って故障する「バードストライク」かと思ったという。
事故が起きた直後については
山本さん:
「落ち着いて」とか「席立たないで」という声や、「荷物持たないで」という声が聞こえましたが、「どこが開くんだ」、「どこから出られるんだだろう」みたいな声が聞こえました。心配の声より、危ないんじゃないかという声が出ていました。
当時の心境について、「機体の中にいるときには、熱くなってきて、助からないと思ったのが正直なところ」と語った木村さん。
CAなどから「落ち着いて下さい」「荷物を持たないで」などと声がかかる中、「火がどんどん上がってくるので、いつ外に出られるのかなと」感じていたという。
山本さんの感覚で5分か10分後に「外に出て下さい」との指示が出たため、設置されたスロープを使って機外に滑り降りたそうだ。
ただスロープを降りた後にどうすれば良いのか、指示も指示をする人もなかったため、乗客は各自の判断でバラバラに炎上する機体から離れたという。山本さんは「他の人がいるあたりに、息子と一緒に行きました。明確な指示は残念ながらなかった」と振り返った。
脱出の際には荷物を持ち出せなかったため、荷物は機体と共に燃えてしまったという。ただ「コートは着ても良いという指示だったので、コートは着てきた」と話し、「お財布も携帯も持たずに出てきた人も多かった」という。