猟銃を撃った女性――。女性だけの狩猟チーム「ジャパンハンターガールズ」の代表で、国の交付金や寄付などで集めた約1400万円の一部を持ったまま、雲隠れしている疑惑が持たれている。そして、その雲隠れは今、市や地元を巻き込んだ騒動に発展していた。

オープンしたばかりの施設が休業

発端となったのは、神奈川県南足柄市の森林公園内にあるジビエ処理加工施設。

この記事の画像(12枚)

南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:
イノシシやシカの搬入場所になっていまして、ここで皮を剥いたりするような場所になっています。

2023年6月にオープンしたばかりだが、10月23日から休業している。というのも…。

南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:
(代表の女性と)全く電話とかメールとか、自宅に行っても(連絡が)取れない。役所としては市の施設になってますので、国の補助金も入って整備した場所ですから、非常に困っております。

代表の女性と連絡が取れなくなっているという
代表の女性と連絡が取れなくなっているという

施設の開発・運営を担当してきた女性だけの狩猟チーム「ジャパンハンターガールズ」の代表と、連絡が取れなくなっているという。

女性代表:(農林水産省公式YouTubeより)
(駆除すると)お肉だけじゃないんですよね。出る部分って骨もそうですし、皮もそうなんですけど、なんとか活用できる方法はないかと聞きまして、ちょうど私たちも食肉処理場がないと利活用に関してできないよねっていう中で、なんとか造ってみようかって。

2022年12月に農水省が公開した映像では、駆除した動物の活用のため、処理加工施設を造る決意をしたと語っている女性代表。施設の開発費用として、国の交付金約620万円のほか、クラウドファンディングでも約250万円を募るなど、合わせて約1400万円を集めていた。しかし…。

南足柄市産業振興課・瀬戸光浩課長:
(工事費用を)払ってるのかなっていう認識はありました。ただ8月ですかね、施工業者の方から(改修費用の一部未払いの)相談があったのは事実。

施工業者への未払いが発覚。では、集めた多額の金はどこに行ったのか。30万円を寄付した地元の猟友会からは、こんな声も…。

猟友会 南足柄支部・桐生賢五支部長:
顔は広いし頑張り屋さんで、私も期待もしていたし信頼もした。去年の7月ごろ車買ったり、あんなのよく買えるなって。その当時結局はお金を使い過ぎたのか、その辺からじゃないのかな、おかしくなったのは。

打ち合わせに立ち会った市議は…

実は女性代表、施設の開設をめぐってこんな発言も――。

女性代表:(農林水産省公式YouTubeより)
南足柄市の市議会議員さんが協力してくださって話をすすめている。

取材によると、未払いが発生した施工業者と女性代表の打ち合わせには、ある市議が立ち会っていて、この市議がいたことで女性代表が信頼を得た可能性も指摘されている。

なぜ市議は立ち会っていたのか、「イット!」が直撃した。

ジビエ施設に協力した市議:
ちょっと私もケアが甘かったかなと思いますよ。呼ばれたからといってね、そういう所に行ったのが良かったのかどうか分かりませんけども…。

女性代表とは、地元の有力者を通じて知り合ったという市議。施工業者との打ち合わせの場に出向いたことは「甘かった」としている。

ジビエ施設に協力した市議:
有害鳥獣を減らすことは(施設開設の)一番の目的ですから、なんとか運営していっていただける方がいればね。

市は今後、女性代表側と権利関係を整理し、施設の再開をしたいという。
(「イット!」11月30日放送)