FNNは、17日に発信されたビッグモーターの和泉伸二社長が社内向けに送った「メッセージ動画」を入手した。
伊藤忠商事によるビッグモーターの買収検討との発表があり、動画の中では「コンプライアンスを最優先にすることが、今回の支援の前提」と、何度も口にしていた。
一方で、現役社員からは、“変わらぬ姿勢”も明らかになってきた。

買収条件は「創業者一族の排除」

FNNが入手したのは、ビッグモーターの和泉伸二社長が社内向けに送ったメッセージ動画。

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ビッグモーター・和泉伸二社長:
今回の発表で、われわれビッグモーターは信頼回復に向けて、第1歩を踏み出せると考えています。

これは、伊藤忠商事による買収が検討されているとの発表があった、17日に発信されたもの。

FNNが入手したメッセージ動画より
FNNが入手したメッセージ動画より

ビッグモーターの和泉社長は「実現すれば、当社はより良い会社に生まれ変わることができると確信しています」と社員に呼びかけた。

さまざまな不正や疑惑の発覚で、経営不振に陥っているビッグモーター。

そのビッグモーターの買収を検討しているのは、伊藤忠商事と、子会社で燃料会社の伊藤忠エネクス、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズの3社連合だ。

買収条件として出されたのは、創業者一族の排除だという。

兼重宏一前副社長
兼重宏一前副社長

兼重前社長の息子・宏一前副社長のパワハラLINEや、過剰な環境整備が明らかとなっている中、「創業者が経営に関与しない」と一族の影響力排除を買収の条件とした。

兼重宏行前社長 2023年7月の会見
兼重宏行前社長 2023年7月の会見

ビッグモーター・兼重宏行前社長(7月の会見):
私自身も、息子の宏一も、経営に関与するということは一切ありません。

一方、兼重親子は7月に退任し、経営からは手を引いたものの、ビッグモーターの株式は依然、保有したまま。

“変わらぬパワハラ姿勢”も明らかに

今回の件を、「再建への第1歩」だと話していた和泉社長。社内向けの動画では、ある言葉を何度も口にしていた。

FNNが入手したメッセージ動画より
FNNが入手したメッセージ動画より

ビッグモーター・和泉社長:
コンプライアンスを最優先にすることが、今回の支援の前提となっており...。
コンプライアンスを最優先。

現役社員からは「パワハラや数字を追い求める姿勢は変わらない」との声も
現役社員からは「パワハラや数字を追い求める姿勢は変わらない」との声も

しかし、現役社員からは、「結局のところ、パワハラや数字を追い求める姿勢は変わっていません。お客さまが来ないので、陰でさぼり出すスタッフも出てきています」との声が聞かれた。

この状況について、FNNがビッグモーターに問い合わせたところ、「内部通報窓口を設置しており、今後、窓口に寄せられた相談に対しては、解決に向けて真摯(しんし)に対応してまいります」と回答している。
(「イット!」11月20日放送)

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