8月、名古屋市にオープンした中国料理の店が本格的でランチがお値打ちと人気を呼んでいる。店主は勤めていた老舗中国料理店がコロナで閉店し、職を失った58歳の男性だ。「本物の中国料理を手軽に」をモットーに、挑戦している。
コロナで閉店…突然訪れた、先の見えない不安な日々
2023年8月、名古屋市西区にオープンした「チャイニーズダイニング灯(あかり)」。本格的でありながら、お値打ちなランチが人気となっている。
一味違う逸品を手掛けるのは、店主の梅村和正さん(58)だ。
「名古屋観光ホテル」の老舗中国料理店に33年勤めた料理人だ。副料理長としても15年にわたり、店を支えていた。
梅村和正さん：
忘れもしません、11月19日。誕生日の日に聞いたんです。会社がなくなりますって
新型コロナウイルスの拡大が始まった2020年、飲食業界は大打撃を受け、梅村さんが勤めていた店も閉店に追い込まれて職を失った。
梅村和正さん：
失業保険もすぐ頂けるようになりまして、金額的にそんなに多いものではないので、退職金も頂けたので生活はできたのですが
突然訪れた先の見えない生活。苦しい日々は2023年に入っても続いた。
こだわりの手作り調味料で「本物の中国料理を手軽に」
梅村和正さん：
令和5年2月、9万9360円、1月は12万4000円ですね。僕も年だったので、もちろん正社員はないです、バイトですよね。金額もとても生活できるレベルではなかったので、若いころの気持ちを取り戻して自分で商売をやろうと
東海3県の2023年1月から6月の飲食店の倒産件数は52店、コロナ融資もなくなったことで資金繰りが厳しく、22年のおよそ3.7倍となった。
逆風の中、自分の店をオープンさせた梅村さん。ホテル時代とは違い、特別な食材はほとんど使わないそうだが、調味料にはこだわりがある。
梅村和正さん：
ラー油も手作り、山椒油も手作り、ねぎ油をすごく使うので、雰囲気が味わいがちょっと違うと思います
手作りの特製油で本格中華に変身。本物の中国料理を手軽に楽しんでもらうことが店のモットーだ。
一度見失った夢を、58歳でもう一度。
女性客：
おいしいです、レタスやネギ、お野菜がたっぷり入って
男性客：
山椒もきいていておいしいですね
梅村和正さん：
もうちょっと余裕ができたら、若い子を育てたいという思いもあります。この歳になってもこうやるとなると、夢と希望は出ますね。死ぬまで働こうと思っています、変な言い方ですけれど
（東海テレビ）
