国民生活センターは20日、インターネットで予約したホテルや航空券のトラブル件数が増えているとして、注意喚起した。

コロナ明けで相談が急増

全国の消費生活センターへの相談件数が、2021年度には2306件だったが、新型コロナウイルスの蔓延による行動制限がなくなったため、2022年度には4488件と、ほぼ2倍に増加している。それに伴い、ホテルや航空券をネット予約した消費者からの「返金を求めたが『24時間以内に返答する』という返事しか来なくなった」「航空券が欠航になったのに、全額返金されない」などの相談が増えているという。

具体的に以下のような事例があったという。

旅行サイトと航空会社をたらい回し

海外事業者が運営する旅行予約サイトで国内のホテル2人分を予約し、クレジットカードで支払ったが、旅行に行けなくなったためホテルにキャンセルの連絡を入れ、サイトにメールで返金を求めたが、「24時間以内に返答する」というメールの返信しか来ずに、返金されなかった。(60歳代男性)

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予約した航空券が欠航となり、払い戻しを申請したが、旅行予約サイトのポイントが返金され、現金は戻ってこなかった。旅行予約サイトに返金を求めたが「航空会社のキャンセルポリシーに基づいた対応」として対応して貰えず、航空会社も「個別の案件は旅行予約サイトを通してしか対応しない」と言われ、返金されなかった。(20歳代男性)

また「○月○日まではキャンセル無料」との広告表示を見えて旅行予約サイトでホテルと航空券を予約し、その後キャンセルしたところ、キャンセル無料はホテルだけで、航空券についてはキャンセル料が100%かかったという相談もあったという。

旅行予約サイトは適切な対応が得られないことも

こうした相談が増えている事について、国民生活センターは「申し込みを完了する前に、キャンセル等の条件や契約内容をよく確認しましょう」と呼びかける。

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契約内容について口頭で説明を受けられる店舗での予約と違い、旅行予約サイトでは、消費者自身が申し込みが終わる前に、確認しなければならないのだ。

さらに、海外の事業者が旅行予約サイトの運営を行っている場合のリスクについて
「予約や購入は日本語でできても、事業者とのやりとりは日本語では難しい場合があります」
「音声ガイダンスは日本語でも、オペレーターは日本語対応ではない場合もあります」
「日本語でメールを送っても、英語で返信がくる場合や、日本語でやりとりができても定型的な回答が繰り返される、返信内容が画一的で交渉が円滑に進まない場合もあります」
などと説明している。

またトラブルを防ぐためには、旅行予約サイトを利用する前に、サイト運営事業者の情報を確認し、予約確認メールやマイページで、情報を記録しておくことが大事だとしています。

渡邊康弘
渡邊康弘

FNNプライムオンライン編集長
1977年山形県生まれ。東京大学法学部卒業後、2000年フジテレビ入社。「とくダネ!」ディレクター等を経て、2006年報道局社会部記者。 警視庁・厚労省・宮内庁・司法・国交省を担当し、2017年よりソウル支局長。2021年10月から経済部記者として経産省・内閣府・デスクを担当。2023年7月からFNNプライムオンライン編集長。肩肘張らずに日常のギモンに優しく答え、誰かと共有したくなるオモシロ情報も転がっている。そんなニュースサイトを目指します。