岸田政権は内閣改造の一連の人事の最後に、国民民主党元代表で元参議院、産業別労働組合「電機連合」の組織内候補だった矢田稚子氏の首相補佐官を発表した。

国民民主党の執行部経験者にして、かつ、国民民主党の最大の支持基盤、連合の組織が推薦していた候補が、官邸の要職に就くという、異例の人事だ。

自公2党の連立政権となって早20年、連立の枠組み変更は、与野党の国会議員の思惑だけで実現するものではない、自民・公明・国民民主、各党の有権者はこの動きをどう見ているのか、世論調査では、自公連立に国民民主が参加することに賛成4割、反対4割と意見が分かれた。

この記事の画像(2枚)

【自公連立政権への国民民主党の参加】
▶賛成 40.6%
▶反対 42.3%

与党内でも分かれる意見 自民支持増は「容認」公明支持層は「警戒」

支持政党別で、国民民主党の自公連立入りについてみると、自民党支持層の52.1%が「賛成」32.8%が「反対」と賛成意見が半数を超えた。自民党支持層は、連立受け入れを「容認」する姿勢だ。

同じく与党公明党の支持層では「賛成」が28.2%、「反対」が42.5%と反対意見が上回った。

東京での選挙協力をめぐり、一時、きしんだ自公関係はその後、党首会談を経るなどして「信頼関係は徐々に戻っている」(公明・石井幹事長)状況だ。こうした中、公明支持者からは、国民民主の連立参加には警戒感が強いことがうかがえる。

【政党別 自公連立への国民民主党の参加の賛否】
           賛成    反対
▶自民支持層   52.1%   32.8%
▶公明支持層   28.6%   42.5%

国民民主は6割が「賛成」 立憲、維新は6割が「反対」

一方の国民民主党の支持層は「賛成」60.0%、「反対」36.3%と連立参加を前向きに考える意見が反対意見を大きく上回った。野党勢力の分裂にもつながる国民民主の自公連立入り案には、立憲民主党支持層は「賛成」24.8%、「反対」57.1%、日本維新の会支持層でも「賛成」24.4%、「反対」60.9%と反対が大きく上回った。

【政党別 自公連立への国民民主党の参加の賛否】
           賛成    反対
▶国民民主党   60.0%   36.3%
▶立憲民主党   24.8%   57.1%
▶日本維新の会  24.4%   60.9%

政権の連立の枠組みは、国会での与野党勢力の枠組みの変化にも直結するだけでなく、選挙の行方にも影響が及ぶ。

最後に、国政選挙で動向が注目される「無党派層」をみてみると、「賛成」39.4%、「反対」41.9%と同程度となった。「賛成」が多い自民・国民民主と「反対」が多い公明・立憲・維新のちょうど中間で、無党派層全体では、賛否いずれでもない結果となった。

政治部
政治部

日本の将来を占う政治の動向。内政問題、外交問題などを幅広く、かつ分かりやすく伝えることをモットーとしております。
総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。