夏休みのお出かけに、この夏に熊本地震の被災から全線再開を果たした“南阿蘇鉄道”のトロッコ列車の旅はいかがだろうか。沿線の長陽駅のカフェで名物のかき氷も人気を集めている。

熊本地震から復活 全線再開の南阿蘇鉄道

トロッコ列車始発の高森駅は、夏休みの期間は平日の朝でも家族連れの姿が多く、やはりお目当てはトロッコ列車のようだ。

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熊本地震の復旧工事を終え、南阿蘇鉄道の名物・トロッコ列車が2023年7月に、7年3カ月ぶりに全線再開を果たした。

夏休み期間中の8月27日までは毎日、それ以降は土日祝日に1日2往復運行している。

南阿蘇鉄道の全線・高森駅から立野駅まで全長17.7kmを普通列車が約30分で走るところを、トロッコ列車は約1時間かけてゆっくり旅する。

南郷谷の絶景と車掌のアナウンスが魅力

車掌 米村勇馬さん:
「釈迦の涅槃像」とも呼ばれています。右側の根子岳がお釈迦様の頭の部分にあたりまして…

魅力のひとつは車掌の車内アナウンスだ。沿線地域の歴史や観光スポットなどの情報をユーモアも交えながら案内する。

乗客からは、「ガイドが上手」「関西から来ているけど、トークが上手なので感心している」と大好評だ。

世界でも有数の阿蘇のカルデラの南側、南郷谷を走る南阿蘇鉄道のトロッコ列車は、開放感たっぷりの車内には景色を楽しみながら心地よい風が吹き抜ける。

駅にあるカフェ「久永屋」夏はかき氷が人気

そして車内だけでなく、沿線では特別な「おもてなし」にも出会える。

7月からようやく列車が走るようになった長陽駅には、名物「駅長」の久永操さんがいて、築95年のレトロな駅舎で土日祝日限定のカフェを営んでいる。

長陽駅 久永操さん:
列車に乗っている方たちの数が前と比べ物にならないくらい多くて、何気ない日常の幸せをすごく感じる

駅のホームのベンチがカフェの客席になっている。

夏のおすすめはかき氷だ。ユニークな名前のメニューなど、全部で7種類ある。

阿蘇の伏流水で作った氷の上にアイスクリームや果物自家製の蜜などがたっぷりのっていて、「かんきつ駅長の男前氷(950円)」と名付けられたかき氷は、一番上に乗ったイチゴとかんきつのほろ苦い味がよく合う。

長陽駅 久永操さん:
各駅舎いろいろなこだわりがあるので、お客さんと運転士さん、車掌さんも近いしお客さんと僕たち駅の店主も近いし、そういう南阿蘇鉄道ができたらいいなと思う

高さ60メートル 第一白川橋梁からの絶景

長陽駅を過ぎると絶景ポイントが待っている。

地震で被災し、新しく架け替えられ、一番の見どころとも言える、第一白川橋梁だ。

高さ60メートルのスリル満点のこの景色を、列車はスピードを落としてゆっくりと進み、窓がないトロッコ列車はよりその迫力を楽しむことができる。

乗客:
景色がすごくきれいで涼しいし、とてもよかった

乗客:
60メートルの高さの川(第一白川橋梁)がちょっと怖かった

乗客:
阿蘇のことをくわしく知ることができた

運転士 山本英明さん:
思っていた以上に多くの人に来てもらい、うれしい悲鳴。夏休みもぜひトロッコ列車に遊びに来てほしい

トロッコ列車はウェブサイトから予約ができ、高森駅と立野駅間の片道で大人1,500円、3歳から小学生までの小児1,000円だ。

また、人気漫画・ワンピースとコラボした特別列車「サニー号トレイン」も運行中で、こちらも人気を集めている。

2023年の夏は、完全復活に沸く、南阿蘇鉄道のトロッコ列車で、南阿蘇の風に吹かれながらのんびりと、夏の思い出を作ってみてはいかがだろうか。

(テレビ熊本)

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