人生100年時代と言われる今、定年後にどのように働くか、明確なビジョンが見えていないという人も少なくないのかもしれない。

こうした中、ジャパネットホールディングスが魅力的な定年後の再雇用制度を公表した。定年後再雇用制度を「セカンドライフサポート制度」へと刷新したと3月29日に公表し、4月1日から導入している。

この新たな制度は、週休数を段階的に増やしつつも、急な収入減に陥らない給与設計になっている。

セカンドライフサポート制度(提供:ジャパネットホールディングス)
セカンドライフサポート制度(提供:ジャパネットホールディングス)
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ジャパネットグループの正社員の定年は60歳で、定年後は70歳まで嘱託社員として再雇用するというのものだ。

60歳~65歳までは公休数を週休3日、定年前と比較して勤務日数は8割程度になるが、給与・手当は正社員の平均支給額の9割を担保する設計にした。65歳~70歳までは週休4日で、給与・手当は正社員の平均支給額の7割になる。

また、正社員には認められていない副業が、今後のキャリア形成・成長を目的として可能となる。

「勤務日数が減っても、70歳まで少なくても給与を正社員の7割を保証してくれる」という魅力的な制度なのだが、どのような理由・思いがあって、制度を刷新したのか?また、この制度を社員はどのように受け止めているのか?

ジャパネットホールディングスの担当者に“制度刷新の理由”と“社員の受け止め”を聞いた。

より充実したセカンドライフを送れるよう刷新

――「定年後再雇用制度」を刷新した理由は?

社会的にも定年延長など企業での努力義務が課される中、会社が37周年を迎え、創業期に雇用された方々の中にも定年を迎えられる方が多くなりました。

定年後も続く長い人生に向け、単純に雇用の延長をするのではなく、ジャパネットに長年勤めていただいた方が、より充実したセカンドライフを送れるように、仕事だけではなく、趣味や家族、自分自身のことに向き合う時間を確保してほしいという想いから、制度を刷新いたしました。


――これまでの「定年後再雇用制度」と「セカンドライフサポート制度」の違いは?

違いは以下になります。

・週休数を段階的に増やしつつも、急な収入減に陥らない給与設計にしていること
・働きながら安心して、次のキャリア形成や成長に繋ぐことができるように副業が可能となること

イメージ(再雇用)
イメージ(再雇用)

――この再雇用制度は、全社員が利用できる?

ジャパネットホールディングスのグループ会社すべての正社員が対象です。ジャパネットグループ全体で1194名が正社員です(2023年3月時点)。


――現時点で、この制度で再雇用した社員は何人?

現在8名です。

社員「頑張って70歳まで働きたい」

――この制度で再雇用された人の給与は、勤務日数で考えると、定年前と同じぐらいの水準になる?

給与に関しては一概にはお伝えするのが難しいのですが、例えば、勤務日数が8割でも給与は平均の9割を保証するなど、定年前と比較して給与が急激に減少しないよう、配慮をしております。


――定年後、再雇用された嘱託社員は、どのような仕事をする?

特定分野の大規模業務や機械化できないような事務処理、ホスピタリティや配慮を必要とする対面業務を行っていただきます。たとえば、「制作業務」「顧客対応業務」「人事・経理等の事務系」「秘書・営業事務」などです。


――この制度について、 社員からはどのような声が聞かれる?

以下のような声をはじめとして、喜びの声が上がっています。

・会社が正社員だけではなく、嘱託社員についても制度を検討し、見直しをしていることがうれしいです。副業ができるようになったのでシルバー人材センターの登録なども考えてみたいです。

・改めて嘱託社員の制度の良さを実感しています。こんな良い制度をつくってくれているならば、頑張って70歳まで働きたいですね。

イメージ(再雇用)
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手厚く、魅力的なジャパネットの「定年後再雇用制度」。同様の制度を多くの会社が導入していけば、人生100年時代の見通しも明るくなっていくのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。