2024年3月で引退するJR九州の観光列車「SL人吉」のラストシーズンが始まった。本来の肥薩線ではなく、鹿児島本線の熊本駅と佐賀の鳥栖駅の間での運行だが、初日は多くの子ども連れや鉄道ファンが集まった。

「ハチロク」ラストシーズンがスタート

3月8日。熊本駅の在来線のホームに黒い煙を上げ、JR九州の観光列車「SL人吉」が姿を現した。「SL人吉」の蒸気機関車58654号機は1922年製造の国産の蒸気機関車で「ハチロク」の愛称で親しまれている。

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国内の現役最古のSLだが、製造から100年がたち、車両の老朽化や部品の調達が困難なことから2024年3月の引退が決まっている。この日、ラストシーズンのスタートとあって、ホームには乗客だけでなく、多くの鉄道ファンが集まった。

子ども:
全部かっこいい。また(次)乗りたいです

子ども:
(SLの)機関助士がやりたかったけど、その夢はまだ消えていない

人吉旅館・堀尾里美女将:
寂しい気持ちと共に(初日で)すごくうれしく思う。元気に走ってくれれば、ありがたい

多くの人に見送られ…

黒い煙を吐きながら熊本駅を出発。本来なら人吉駅があるJR肥薩線を走るが、2020年7月の豪雨で被災し、肥薩線の一部区間は不通のままだ。ラストシーズンは鹿児島本線の熊本駅と佐賀の鳥栖駅の間を走る。

沿線では、すれ違う多くの人が手を振り「SL人吉」は力強く黒い煙を上げて応えた。途中の玉名や久留米などの停車駅では、その姿を一目見ようと多くの人が集まり、写真を撮っていた。

――どこが一番かっこいい?

子ども:
正面と缶のところです

目的地の鳥栖駅では、到着した「SL人吉」を多くの人が出迎えた。

福岡の乗客:
乗り納めです。でももう一度乗りたい、あと1年で。球磨川沿いの肥薩線で人吉にも行きたい

熊本の乗客:
SLには無事故で来年3月まで走り続けてほしい。盛り上がりが全然違うので八代までは返ってきてほしい

この「SL人吉」、ラストシーズンは土・日・祝日を中心に運行予定。運行日の1カ月前から予約可能で、JR九州によると、すでに予約できる分はほぼ満席と滑り出しは好調のようだ。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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