皆さんの食卓にも馴染みのある「卵」。そんな卵を余すところなく使う企業に潜入し、最先端の取り組みに迫った。

“特別な養鶏場”に潜入

訪れたのは、宮崎・都城市に本社がある「フュージョン」だ。

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ひなから採卵、パック詰めまで一貫生産する卵の総合商社で、約200万羽の鶏を飼育し、九州一の売り上げを誇る。
そんなフュージョンには特別な養鶏場があるということで、中に入らせてもらった。

テレビ宮崎・秦萌アナウンサー:
すごい! たくさんの鶏がいて自由に動き回っています。初めて見ました!

目の前に広がっていたのは、国内最大級のケージフリー鶏舎。2017年に約20万羽をケージフリーに切り替え、一羽当たりのスペースは従来の約3倍になった。鶏を快適な状態に保つことは、世界でも注目されているSDGsの取り組みだ。

卵の殻が“病気に勝てる”肥料に

続いては「食べきる」取り組み。ここでは、機械で表面の汚れを検知し、小さな棒で殻をたたいて、その音でひびを見つける。ひびが見つかって出荷できない卵は、1日に約10トン。殻を取り除いて大量の液卵にされる。

ここで最先端の機械が登場! フュージョンでは、国内の工場で初めて「無菌充填機」を使って殺菌し、3日~4日間だった液卵の賞味期限を7日間に伸ばすことに成功した。衛生基準が高い学校給食や、パンやマヨネーズの原料として出荷されている。

さらに、卵を割ると必ず出る「殻」。家庭では捨てられる殻も生まれ変わっているのだ。それが「堆肥」。卵の殻を混ぜて作る堆肥は、カルシウムが多く含まれているそうだ。

フュージョン・赤木八寿夫社長:
肥料としての価値だけではなく、菌の強さを使った病気に勝てる堆肥です。土の改良剤としての役割も持っています

すべては“養鶏産業”のために

卵の殻まで無駄なく使い、廃棄物はほぼゼロ。この取り組みの裏にある思いとは…。

フュージョン・赤木八寿夫社長:
持続可能性について考えないと養鶏産業がなくなってしまう。養鶏産業によって支えられている餌工場や、卵をパックする容器や段ボールなどの会社が複雑に絡んで仕組みが成り立っているから、その仕組みをずっと成り立たせるためにもSDGsに取り組まなければならない。養鶏業を長く続けて、食べ物を供給することを継続するためにやっている

「卵を余すところなく使う」。その取り組みが養鶏業界の未来につながっている。

(テレビ宮崎)

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