宮崎県内の企業が開発した焼き芋の自動販売機が、全国で急拡大している。農福連携の取り組みで、障害者の仕事の確保や所得向上にもつながっている。

障害者の就労支援に

全国に広がっている焼き芋の自動販売機。

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あたたかいものと冷たいものを販売している。

この焼き芋自販機は、2019年に宮崎県内から設置が始まった。その後全国に拡大、設置台数は2022年に47台、現在はさらに増えて87台になった。

購入者:
目新しすぎて

購入者:
現場帰りで小腹もすいて、何か食べたいなと思っていたときだったので

自販機を展開しているのは、延岡市の不動産会社・和光産業と関連会社の農福産業だ。

児玉雄二社長には障害のある家族がいて、同じような境遇の人たちのために仕事を作ろうと、この焼き芋づくりを就労支援施設に委託している。

和光産業・児玉雄二社長:
障害者の仕事をつくっている、所得を上げるとこが、全国の企業の方たちが賛同してくれているのだろうと思います

「生きがいが生まれるんじゃないか」

焼き芋づくりを受託している延岡市のはまゆう園では、利用者が芋のカットや計量などを担当している。

施設利用者:
難しいことはないけど、計量は意外と楽しいですよ

施設利用者:
うれしいです。他の人たちが食べると幸せが分けられる感じです

焼き芋は芋を90日以上寝かせるなどの独自の方法で作っていて、2022年11月には特許を取得した。

和光産業・児玉雄二社長:
各工程の中に「ここだけはすごい」という障害者のプロがいるんですよ。特許を取って自信をもっていただこうと、つくることによって自信が生まれて、生きがいが生まれるんじゃないかなと

すべての都道府県の設置を目指す

現在は埼玉と島根、大分県にある福祉施設などがフランチャイズ契約を結び、製造・販売を行っている。また、商品の補充など、施設が参入しやすい作業もあり、全国で約200人が携わっている。

施設利用者:
やっていて勉強にもなりますし、面白い部分もあります。栄養があるので、みんなに買っていってもらいたいです

和光産業では、この焼き芋を使った災害備蓄用の缶詰や高齢者も食べやすいチューブタイプなど商品開発にも取り組んでいる。将来は全国に加工所を20カ所作り、1万人の雇用につなげたいとしている。

和光産業・児玉雄二社長:
障害者と見ずに、彼らに合った仕事を与えられたらいいなと思います。優しい経営者の方たちが全国にたくさんいると思いますので、そんな方たちが増えるといいなと思います

紅はるかを使用した焼き芋を食べてみると…。

武田華奈アナウンサー:
いただきます。しっとりとしていて、やわらかくておいしいです。これは幸せが分けられますよ。とってもおいしいです

障害者の雇用拡大にもつながる焼き芋自動販売機。現在は25の都道府県に設置されていて、県内でも県北にある道の駅など、13カ所に設置されている。和光産業では将来、全国すべての都道府県で自販機の設置を目指しているということだ。

(テレビ宮崎)

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