個人スペースが足りない! テレワークの悩みを解決

新型コロナウイルス感染予防対策として、多くの企業が取り入れているであろう「テレワーク」。

業務がオンラインサービスを利用した会議や、メール・電話を中心としたコミュニケーションへと変わり、自宅に仕事部屋を設けたり、レンタルスペースを利用しているという人もいることだろう。

一方で、「オンライン会議のたびにパソコンを持ち、静かな場所に移動している…」「仕事中でも子どもたちが乱入してくる!」といった声も多く、悩みの種となっているのが「仕事場所の確保」だ。

日本の住宅事情が抱える問題でもあるが、そんな中、自宅の一角を仕事用スペースに早変わりさせてくれる、こんなアイテムが登場した。

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強化段ボールケースの製造・販売などを行うフジダン株式会社から発売された、その名も「マイブース」

強化段ボールでできた机やパーテーションなどのパーツを組み立てるだけで、一人分の個室が完成する、というアイテムだ。わずか30秒ほどで組み立てられるだけでなく、不要になれば資源ごみとして処分もできる。

内部の空間は、ぴったり閉じると140cm×90cm×高さ140cmが確保され、折り畳むと高さ140cm、幅130cm、厚さ6cmとコンパクトにもなる。
 

また、他にもオンライン会議などで重宝しそうな、バーチャル背景がきれいに合成できる「グリーンバック」も。「マイブース」のパーテーションにはマジックテープがついており、これを利用して背後に取り付けることができる仕組みとなっている。

SNSでは「折り畳み式なのが場所とらなくて助かる」「必要な時だけ組み立てればいいから便利そう」という声が寄せられており、中には「秘密基地みたい」「子どもが羨ましがりそう…」という声もあるなど、ちょっとした“特別感”に興味を持つ人が多い。

仕事だけでなく、増えつつあるオンライン授業など「ひとりで集中したい」という場面にぴったりだが、果たしてその使い心地は? フジダン株式会社の渡慶次社長にお話を聞いた。

「働き方の変化で個人ブースの需要も増える」

――「マイブース」開発のきっかけは?

弊社は木箱の代わりに使われる強化段ボールケースのメーカーです。机くらいの大きさの箱で耐圧強度が3トンもあり、N社のスーパーコンピューターやI社の自動車部品などの輸出梱包に使用されています。非常に強度があり木箱と比べて軽量です。

この強化段ボールを使用して家具や什器、展示会ブース、災害用間仕切りなど様々な用途開発を行ってきました。新型コロナウイルスの感染症対策として、仮設医療施設向けに自治体などへ提案をしています。

この用途開発のノウハウをいかしリモートワークで使う家庭用段ボールブースを開発しました。家庭でリモートワークをする場合、自分専用の個室を持っている人は多くなく、リビングで仕事をしています。お子さんが小さい場合は仕事中にも関わらず寄ってきて仕事の邪魔もします。

また特に女性の場合はビデオ会議の時にプライベートな空間を極力映したくないので、このようなブースがあれば安心です。

これからは働き方も変化し、コロナ以後もリモートワークは増加し、このようなブースの需要は増えると思い、商品化しました。

ぴったりと閉じるとこんな感じ
ぴったりと閉じるとこんな感じ

――「マイブース」の使い心地は?

5月の連休中に私自身が自宅で使用しました。Zoomの場合はグリーンバックで仮想背景がきれいに映り、オンラインセミナーも受けましたがとても集中できました。


もともと、強化段ボールを使い、様々な開発をしていたというフジダン株式会社。そのノウハウを生かして生まれたのが「マイブース」だという。

患者の“隔離ブース”としても活躍が期待

また、注目したいのが、「テレワーク」以外の使い方。

災害用の間仕切りなどを作るノウハウから生まれた「マイブース」だが、実はすでに、内科クリニックから「新型コロナウイルス感染が疑われる人が来院した際、マイブース内に椅子を置いて隔離ブースとして使いたい」という声がかかっているという。

プライベート空間の確保だけでなく、医療の現場での安心・安全を守ることにもつながりそうだ。


――反響について…

部屋の中に、小さいですがもう一つ切り取られた全く別の空間が生まれることで非日常感が生じ、頭の切り替え・気持ちの切り替えができます。

マイブースは軽量で4つのパーツから構成されています。マジックテープで簡単に組み立てられ、折り畳みも容易です。使わない場合は部屋の壁に立てかけておけるので場所を取りません。

リモートワークを念頭に商品化しましたが、子どもの勉強部屋・趣味を楽しむ空間・瞑想部屋・隠れ家・秘密基地等、多目的に使えると思います。


感染の“第二波”が心配される中、まだまだ増えそうな自宅時間。必要に迫られる場面でも、家族の視線が気になり在宅勤務がはかどらない…という人もまだまだ多いだろう。

今後も続く“withコロナ”の生活を少しでも快適に過ごせるよう、様々なアイデアを取り入れていく必要がありそうだ。
 

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プライムオンライン編集部
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