2月10日から開幕する四大陸フィギュアスケート選手権。

女子代表の吉田陽菜は今シーズンから国内大会でシニア転向を決め、シニアの国際大会、四大陸選手権の代表をつかんだ。

来シーズン本格的なシニア参戦を目指す吉田は、四大陸選手権に向けて「チャンスはしっかりものにしたい」と意気込む。

実力を発揮するために「強い気持ち」が必要

全日本ノービスで2連覇、全日本ジュニアでは2年連続表彰台など、将来を期待されている吉田陽菜、17歳。

ノービス時代から取り組み続けたトリプルアクセルが、吉田の最大の武器だ。

今シーズン、10月のジュニアGPイタリア大会で国際スケート連盟公認の試合で初成功させ、ファイナルにも進出した。

国内シニア転向後の初戦となった11月の西日本選手権では三原舞依を抑えて優勝。

この大会でもショートプログラム・フリーともにトリプルアクセルを成功させ、ショート2位から逆転した。

全日本選手権(2022年)
全日本選手権(2022年)
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「進化した姿を見せたい!」と意気込んだ2022年末の全日本選手権では、ショート14位と崩れたものの、フリーでトリプルアクセルをなんとか着氷させ、3位と巻き返し、「今できることはできた」と演技後には涙も見せた。

全日本選手権でインタビューに応じる吉田陽菜
全日本選手権でインタビューに応じる吉田陽菜

全日本後、吉田は「トップで戦うためには実力がまだまだ足りないし、もっともっと強くならないといけないと思った。やっぱり最後まで強い気持ちで滑ることが、そのときの実力をちゃんと発揮するために必要だと思ったので、これからも1試合1試合やれることを出し切るために、もっと強くなりたい」と気を引き締めた。

全日本選手権で6位入賞が決まり涙を流す吉田
全日本選手権で6位入賞が決まり涙を流す吉田

涙の6位入賞で、四大陸選手権出場のチャンスが巡ってきた吉田。

2023年はインターハイが初陣となった。

17歳、四大陸では「今季最高の演技を」

全国高等学校スケート競技選手権大会(インターハイ)では、ショートでジャンプをすべて決めて2位発進。

「自分はショートで失敗してしまうことが多いので、今日は良かったと思う」と成長ぶりをアピールした。

しかしフリーでは冒頭のトリプルアクセルで両足着氷するなど、ミスが響き4位で終わった。

吉田は「ジュニアGPファイナルと同じ失敗。よかったところがあまりない」と悔しさをにじませた。

続く、特別国民体育大会冬季大会(ジュニア)ではフリーの6分間練習でトリプルアクセルを成功させたが本番で転倒し、総合4位に。

その原因を吉田は「メンタルの部分」と分析。四大陸に向けてもメンタル強化に取り組んでいるという。

四大陸の会場となるアメリカ・コロラドは標高が高いため、「フリーを2回連続でかけた後に後半を連続でずっとかけて体力をつける練習を繰り返し、とにかく自信をつけたい」と話す。

今季最高の演技ができるように

シニアはショート・フリーともにトリプルアクセルに挑戦できることもあり、吉田は「どちらもしっかり決めたい。初めてのチャンピオンシップなので、今できることを出し切って、今シーズン良い締めくくりができたら」と語る。

全日本選手権(2022年)
全日本選手権(2022年)

「選ばれたときは正直驚いたんですけど、チャンスはしっかりものにしたい」と四大陸への意気込みを語る吉田。

「先生には『練習は裏切らない』と言われているので、やれることをやって自信がつけば。自信があればあるほど良い結果につながると思うので、不安を一つでもなくしたい。

全日本のショートでは失敗してしまったので、フリーは最後まで諦めずに、という気持ちだけで滑っていました。常に攻める気持ちでいるときの方が、結果は残せていると思うので、最後まで強い気持ちで滑って、その試合を楽しめたらいいなと思います」

来季は本格的なシニア参戦を見据える吉田。

四大陸でトリプルアクセルを決めて「今季一番最高の演技ができるようにしたい」と大舞台での大技成功に期待したい。

四大陸選手権には、男子は島田高志郎、佐藤駿、三浦佳生、女子は渡辺倫果、吉田陽菜、千葉百音、ペアは三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔組、小松原美里・小松原尊組が出場する。

四大陸フィギュアスケート選手権2023
フジテレビ(※関東地区ほか)にて3夜連続放送

■男女ショート
2月10日(金)深夜1時35分~3時35分
■ペアショート&リズムダンス&女子フリー
2月11日(土)深夜1時45分~3時45分
■ペアフリー&男子フリー
2月12日(日)深夜0時30分~2時30分
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/four-continents/index.html

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班