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14日、和歌山市で、自宅に火をつけた放火の疑いで逮捕された前田翼容疑者(36)と妻の志保容疑者(50)。焼け跡からは、息子と見られる遺体が見つかっています。

現住建造物等放火の疑いで逮捕された夫婦は、いずれも「灯油をまいたことに間違いない」「火をつけたことに間違いない」と容疑を認めています。

現場となったのは、木造2階建ての一戸建て。火災の様子を捉えた映像には、激しい炎と向き合う消防隊員たちの姿が映っています。さらに、志保容疑者とみられる女性の叫ぶ声も。

近隣住民によると、女性が「息子がまだ中にいる」と必死に叫び、消防隊に止められながら「中に入らせて」と涙ながらに訴えていたといいます。

「抑圧されたものが爆発したら…」娘が語る容疑者夫婦の様子

「ほんまによくわからん状態ですね、なにもかも」
そう「めざまし8」に話すのは、逮捕された夫婦とは離れて暮らしている娘。志保容疑者の子供で、行方不明の息子の姉にあたります。

志保容疑者の娘:
「火事起きたで」って言われて、嘘つけよと思いながら行ったら、消防車十何台。道も通行止めにされてて、見に行ったら入れんやし。そんとき弟だけ安否とれなかったんで、安否だけでも知りたかったですけど。(弟と連絡が)つけばいいんですけどね…、諦めたわけじゃないんですけど…うん。

志保容疑者と翼容疑者は再婚で、2年半前にこの家に引っ越してきたといいます。

志保容疑者の娘:
しょっちゅうけんかしてたんで、元々仲良くはなかったかな。だから結婚するのはやめろってよく言ってましたよ。別れたいとか言うんやったら、別れたらいいやんって。一向に別れなかったんで、だからやめろって言ったやろっていうことばかり。お母さんと翼くん(翼容疑者)がけんかしてるから、弟がイヤホンをして、上で聞きたくないって言ってイヤホンしながらゲームしてるのは知ってます。

普段から夫婦げんかが絶えなかったという、容疑者夫婦。

志保容疑者の娘:
たまっていたものじゃないですか、いろいろ。抑圧されたものが爆発したら、いずれかはなるかなと思ってたんですけど。ただこういう終わりを迎えるのは絶対違うやろなとは。誰かが亡くなって終わる結末は、絶対違うじゃないですか。

時折、震える声をぐっとこらえながら語る娘。

近隣住民によると、夫婦げんかの声が朝方や深夜にも漏れ聞こえ、警察が駆けつけたこともあったといいます。

志保容疑者の娘:
多分激高して忘れただけだと思うんで、殺意は無いと思うんですけど。家に弟おるっていうこと忘れていると思います。忘れるのもどうかと思いますけども。

放火の原因は金銭トラブルか? 数時間前に電話も…

火災が発生する数時間前、翼容疑者から連絡を受けたという人物は、その時、翼容疑者から金銭的支援を頼まれたといいます。

翼容疑者から火事当日に連絡を受けた人物:
お金のことでようもめてたんよ、こんなことなる前もうちのところに電話きてね。火事になるちょっと前、何回も電話があって、お金貸してくださいって。それで、あかんって、無理やでって。そのあとに火つけてこうなったっていうからね。

翼容疑者から「お金を貸して欲しい」と連絡を受けていた人物は、他にも…。

翼容疑者からお金を貸してほしいと連絡を受けた別の人物:
4時から6時の間に、「あの、ちょっと1万円貸してもらえせんかね?」って。まあ、もう(生活面が)しんどいんやろうなって分かるやろ。

志保容疑者は夫婦げんかになった理由について、「夫がお金を家に入れない」と答えているといいます。

しかし一方で、夫婦の関係をよく知る人物は、一家の様子をこう話します。

火事当日に連絡を受けた知人:
お母さんは子供のために、一所懸命頑張ってたわ。(翼容疑者は)仕事も一所懸命やし、仕事もできるし、おとなしい旦那さん。(息子とは)仲良かったと思う、子供中心に考えてたと思うよ。いつもご飯食べに行こうって誘ったりしてたけど、子供が家で待ってるから、ご飯せなあかんからすみませんって、家で帰って3人でご飯食べる。普段はめちゃめちゃ仲いい。

数カ月前には、息子と3人で旅行にも行っていたといいます

警察と消防によると、2人は「自宅の2階には息子がいた」と話していますが、今も連絡が取れていないということです。

警察は遺体の身元確認を急ぐとともに、殺人の疑いも視野に入れ捜査を進めています。

(めざまし8 1月16日放送より)