2013年、餃子の王将の社長が射殺された事件で急展開が起きた。

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10月28日午後2時すぎ、殺人の疑いなどで逮捕された特定危険指定暴力団・工藤会系の幹部、田中幸雄容疑者(56)。

9年前、「餃子の王将」の運営会社の“名物社長”だった大東隆行さん(当時72)が、出社直後に射殺された事件について、田中容疑者が殺害した疑いが強まり、京都府警が逮捕に踏み切った。

別の事件で懲役10年の実刑判決を受け、福岡刑務所に服役中だった田中容疑者の身柄は、現在京都へと移送されている。

異例の厳戒態勢で…逮捕の決め手は現場に残された吸い殻

大東隆行さんは2000年に「王将フードサービス」の社長に就任。
経営危機にあった会社を立て直した経営手腕と、誰からも愛される人柄で“名物社長”として広く知られていた。

大東隆行社長(2009年):
やっぱりね、従業員を思う心がなかったら、社長も会社も思ってくれへんのちゃいます?


毎朝、誰よりも早く出社し、会社の前を掃除するのが日課だった大東さん。

事件当日の2013年12月19日も、京都市山科区の本社に一番で出勤しており、その直後、至近距離から4発の銃弾を受け、殺害された。

膠着状態だった捜査が大きく動き、逮捕の決め手となったのは、現場付近で発見されたたばこの吸い殻
捜査関係者によると、検察の体制が変わり、有罪に持ち込めるという判断のもと逮捕に踏み切ったとみられている。

現場付近から発見されたたばこの吸い殻が逮捕の決め手になった
現場付近から発見されたたばこの吸い殻が逮捕の決め手になった

今後、京都で取り調べを受ける田中容疑者の身柄の移送には、異例の厳戒態勢が取られた。
護送車を含め、5台の車列が福岡刑務所の中へ。

刑務所の車寄せはブルーシートで覆われており、田中容疑者がどの車に乗るのかが分からないようになっていた。

全国で唯一の特定危険指定暴力団・工藤会系の幹部とあって、移送中での襲撃や奪還を警戒しているとみられる。

王将フードサービス・渡邊直人社長:
もう本当に驚いています。私もこの9年間を思い出したら、色んな方に支えていただきながら、今日まで来られたなと。


当時、王将フードサービスは過去の不適切な取引について調査し、報告書をまとめている最中だったという。
警察は大東さんの殺害の背景などを詳しく調べる方針。

(「イット!」10月28日放送分より)