7月、突然の凶弾に倒れた安倍元首相。地元の山口県下関市では、多くの人がその死を悼んだ。今回の事件の動機とみられるのが、安倍元首相と旧統一教会の関係だ。

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2021年、安倍元首相は旧統一教会の関連団体「UPF」の会合にメッセージを送っているが、実際にどれほどのつながりがあったのだろうか。安倍元首相の地元・下関市で20年に渡り選挙などに関わってきた人物が取材に応じた。

団体幹部が安倍事務所に出入り

安倍事務所の内情を知る人:
統一教会の下関の事務所が、安倍事務所から徒歩で200メートルくらいのところにあって。男性の幹部の方が定期的に事務所に出入りしていた。選挙戦になると電話作戦。イベントで動員をかけるときも、統一教会、世界平和統一家庭連合に何人か出してくれということで、事務所の方が声かけをして。事務所との協力関係にあった

この人物は、安倍事務所が旧統一教会と協力関係にあったと明言した。しかし、安倍元首相も当初は旧統一教会と一定の距離を置いていたという。

安倍事務所の内情を知る人:
関係者が事務所に来ることを拒むことはなかったけど、直接、安倍先生が(旧統一教会の)会合に出席することはなかった。30年前に報道があって、霊感商法の問題であったり、統一教会は反社会的勢力であると

「選挙に勝つため」保守政治と宗教

それにもかかわらず、なぜ安倍元首相は旧統一教会との関わりを深めていったのだろうか。

安倍事務所の内情を知る人:
特に親密になったのが、第二次政権の前くらいから。(第一次政権時に)いろいろとやり残したことがあると。特に憲法改正であったりとか、真正保守として再び日本を取り戻すという意味で、ご自分が総理大臣にまた返り咲きたいと

2007年、体調不良などを理由にわずか1年で総理大臣の職を辞した安倍元首相。その後、2009年の衆議院選挙で大敗した自民党は民主党に政権を明け渡し、野党となった。そして、保守政治と旧統一教会はつながりを深めていった。

安倍事務所の内情を知る人:
選挙には絶対勝たないといけない。そして政権与党でなければいけない。全国比例となると創価学会の票は公明党に行くわけですから、自民党の中で確実な宗教票、トップが指示を出せば動く、その確実な宗教票がそんなになかった

安倍事務所の内情を知る人:
統一教会は公表の信者数は8万人と言われていますが、実質は6万人。その信者のプラスアルファから得た統一教会の活動で取ってきた票を入れれば、8万を切る数字。第二次安倍政権を誕生させるために統一教会の力が必要だった。安倍晋三さんにしても自民党にしても、イデオロギーよりも、とにかく選挙に勝つことが(必要だった)

距離を置いていたが…政権続投へ強い思い

前参議院議員で、旧統一教会に詳しいジャーナリストの有田芳生氏は、安倍元首相が旧統一教会に接近した理由についてこう話す。

ジャーナリスト 有田芳生氏:
安倍さんが幹事長の時に「安倍さんの所に統一教会の人がしょっちゅう会いに来るんじゃないんですか?」と聞いたことがあるが、「いや、しょっちゅう来るんだ」と言っていた。「会うんですか」と尋ねたら「会わないようにしている」との返答だった

ジャーナリスト有田芳生氏
ジャーナリスト有田芳生氏

ジャーナリスト有田芳生氏:
当時、統一教会は霊感商法をやっていたので、安倍さんだけはなく多くの自民党員が統一教会と距離を置いていた。ただ、安倍さんは一旦下野をして、その後、第二次安倍政権になって、どうしても政権を続けたいという強い思いがあった。そういう時に支持してくれる人たちに近付くというのは、総理としての宿命だったと思う

(テレビ西日本)

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