6月30日、東京都心では、午後2時すぎに36.4度を観測。6日連続の猛暑日になるとともに、6月の最高気温の記録を更新する暑さとなりました。さらに、東京消防庁によると、都内では226人が熱中症とみられる症状で搬送されました。

連日、危険な暑さが続く日本列島。そんな暑い関東の中で、なぜか涼しい街がありました。

都心猛暑の中「海岸寄りの方が気温は低い」進んでいくと…30℃超えず

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取材班がやって来たのは、千葉県茂原市。午後1時半過ぎの茂原駅前は、手元の温度計は33℃を示し、日差しも強く、かなり暑くなっていました。

それでも、この日の千葉県茂原市の最高気温は32.5℃と、都心と比べて4℃ほど低くなっています。地元のタクシー運転手は、「やっぱり海岸寄りの方ですよ。とにかく風通しの良いところの方が気温は低いと思います」と話します。

この情報を元に、更に海沿いへ進みます。到着したのは、房総半島南部の、御宿町。先ほどの茂原駅から約30キロほどの距離にある御宿駅の前では、手元の温度計は29℃。30℃を超えていません。先ほど訪れた茂原市よりも、約4℃、気温が低くなっていました。

「クーラーつけてない」100年以上猛暑日なし

さらに海沿い、多くの海水浴場があることでも知られる、勝浦市に向かってみると…。

午後3時を過ぎた勝浦駅前で、手元の温度計は27.1℃。先ほどの御宿町よりもさらに2℃、気温が下がり、体感としてもかなり涼しくなっています。この日(6月30日)の勝浦市の最高気温は26.3℃で、最も暑かった埼玉県鳩山町の39.9℃より、約14℃も低かったことになります。

実はこの勝浦市、1906年の観測開始以降、100年以上、一度も35℃を超える猛暑日になったことがない“涼しい街”なのです。まさに穴場の避暑地。駅前にある店舗を取材すると…

フォトショップ ウエムラ・店長:
クーラーはつけてません。つけてなくても27℃ぐらいしかないんですよね。この夏、まだ付けてないですね。海風が入ってくるとすごく涼しいです

午後3時半すぎ、勝浦の海水浴場に向かうと、温度計は27.1℃。風もあって、かなり涼しく感じることができました。

約20年間、勝浦市に通う観光客は「空気が気持ちいい感じですよね。今日は11時ぐらいからいます」と話し、4,5時間ほどここにいると言います。

Q.奥さま長袖着られてますけど汗は?
かかないですね。着ていても

勝浦市民「夜は寒い…」海水温が影響

そして、地元の人から聞こえてきたのは「夜は寒い」という声。

地元住民:
夜は寒いくらいなので、窓を開けて寝ると。昨日も仲間とも話をしていて、風邪をひきやすいんですよ。だから、夜はもう窓を閉めて寝ています

地元住民:
朝は涼しいです。夜なんか服1枚じゃ寝られない。寒くて

駅から帰る人を見ても、長袖の人が多くいました。

実際に夜、家でどのような生活をしているのか。自宅にお邪魔させていただくと…

地元住民:
(家に帰って来たらまず)最初に雨戸を閉めます。全部閉めちゃいます。今日はエアコンつけてないです。使うのはお風呂上がった時くらいですね。あとは扇風機です。
(今の気温は)24.9℃です。朝晩涼しいですね。寒いぐらいですよね。(扇風機は)弱です。
それでも寒いです。だからわざと距離離して。寒いんです。だから寝るときは背中向けて

都心では夜でも30℃を超える暑さが続く中、勝浦市では、25度を下回るなど、エアコンに頼らない生活を送っている人が多いようです。

多くの場所で危険な暑さとなった一方で、なぜ、勝浦市はこんなに涼しいのでしょうか。
天達気象予報士に聞きました。

天達武史 気象防災キャスター:
勝浦は、南や東・西から海風が非常に入りやすい場所です。東京が暑くなっているように、熱い南風が入ってきたとしても、海風によってとどまらないで流されていきます。
この時期は海水温がまだ上がっていません。勝浦の周辺でも25℃を下回っているので、熱い空気が入ってきても、海で冷やされることで気温が上がりません。
特に勝浦周辺はスポットのように低い海水温のエリアが広がっているので、より2022年は気温を下げていると思います

(めざまし8 7月1日放送)